【実質金利の上昇と投資戦略】

FRBが利上げを開始したことを受けて、投資家はポートフォリオを調整すべきでしょうか?

ほとんどの投資家にとって、適切な資産配分を維持し、必要なら定期的なリバランスを行うというのが正解の一つといえるでしょう。

特にパッシブ運用をする方であれば、それ以上のことをするよりも、

いわゆる入金力の向上に努めるなど、自身にできることに注力するのが最善だと思いますし、私もそれを愚直に実行しています。


【バンガードの研究】

一方で、米国株式市場の歴史を振り返ってみると、実質金利が上昇する環境下では、特定のサブアセットクラスが一貫してアウトパフォームしてきた。という興味深い研究もあります。

米バンガードのストラテジストで、バンガード資本市場モデル研究チームのメンバーであるイアン・クレスナック氏等のチーム研究によれば、

調査の結果、実質金利が上昇する環境において、3つの重要な知見が得られたとしています。




①特定のサブアセットクラスのアウトパフォーマンス


①実質金利上昇下では、特定のサブアセットクラスは一貫してアウトパフォームしており、特定のサブアセットクラスは一貫してアンダーパフォームしているそうです。

以下の図は、13の一般的なサブアセットクラスが、実質金利が上昇した6つの期間にどのようなパフォーマンスを示したかを示したものです。

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「アウトパフォーマンスした資産」


例外もあるものの、過去6度の実質金利上昇局面では、

以下の6つのサブアセットクラスがアウトパフォーマンスする傾向がありました。

〇米ハイクオリティバリュー株
〇国際株式(除く米)
〇新興国株式
〇米バリュー株
〇米国株
〇米小型株

2014年~2019年の実質金利上昇時(低成長と低金利の環境下)では、高クオリティーバリュー株がアンダーパフォームしています。ただ、これに関しては現在の環境とは少し異なると個人的には考えます。

私も自身の知識や経験則から、もし、現在のような環境で、長期的にアクティブ投資をするなら「クオリティー+バリューファクター」「バリュー株」「米以外の地域の株式」へ加重する。と、過去何度かブログに書いてきました。

今回のバンガードの研究で、その個人的な意見の根拠が少しだけ強まったこと、また変な(全くおかしい)主張を読者の皆様に伝えていたわけではなかったということがわかり少しだけほっとしています。アクティブな意見を言う時は勇気がいりますし、かなり慎重に話しているので(笑)

ここ数年米国株投資を始めた方に人気の「ハイクオリティグロース株」は中立(まちまち)


「アンダーパフォーマンスした資産」

以下の6つのサブアセットクラスのパフォーマンスは優れないものとなりました。

〇米グロース株
〇ハイイールド債
〇米住宅価格
〇コモディティ
〇ロ―クオリティーグロース
〇米総合債券指数

表を見るとわかる通り、例外的な場合もありますし、将来を保証するものではないので注意してください。



参考)実質金利環境はサブアセットクラスのパフォーマンスを決定する重要な要因である。

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実質金利が上昇すると、投資家は株式ポートフォリオにおいてより直接的なキャッシュフローの確実性を好む傾向があり、これは、実質金利上昇環境下で最もパフォーマンスの高いサブアセットクラスである優良バリュー株に典型的に見られるものです。

また、債券のキャッシュフローはより固定的であることから、実質金利上昇とパフォーマンスの関係は、株式よりも債券の方が強いことがわかりました。

株式のキャッシュフローはより不確実であり、パフォーマンスはビジネス環境など他の要因に大きく影響される傾向があります。

一方で、一般的に債券は実質金利が上昇する環境では不利な影響を受ける傾向があります。



②インフレヘッジ資産はアンダーパフォーム

政策立案者はインフレ抑制を目標に行動しており、投資家は一般的にそれが成功すると信じているため、

実質金利が上昇すると、従来の「インフレヘッジ資産」は通常アンダーパフォームしてきました。

現在の高インフレにもかかわらず、「米インフレ連動債」や「コモディティ」をオーバーウェイトすることはお勧めできない。とクレスナック氏は指摘します。


③経済環境はあまり関係ない

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上の図は実質金利が上昇する環境において、経済が縮小している時と拡大しているときのパフォーマンスを比較したものです。

ほとんどのサブアセットクラスでプラスの傾きを示していることから、実質金利が上昇している限り、景気が拡大しても縮小しても、相対的なパフォーマンスは同じであることが分かります。

また、この分析から、新興国市場、コモディティ、ハイクオリティ・バリューという3つの顕著な異常値が明らかになりました。

バンガードの調査によると、新興国株式のバリュエーションは現地の経済環境に敏感である。

コモディティリターンの予想外の動きは、1970年代後半の石油危機の短期的な影響とより深い関係がある。この時期をサンプルから除外すると、コモディティのリターンは他の資産同様、経済情勢の変化への反応が鈍くなる。

高クオリティーバリュー株は、経済が好調なときにアウトパフォームする傾向があるとのことです。

高クオリティーバリューの傾向を現状に当てはめると、少し判断に迷う所ですね。


【私の言うことを信じるな】


私は本来であれば「ハイクオリティバリュー」が好きなのですが、上記のような傾向によって判断を迷い、高クオリティによった「VIG等」ではなく、

景気がどっちに転んでも、まあまあ安定する可能性が比較的高い「VTV」等のETF方が今回はいいのかなと紹介していたわけですが、

まあ、そこら辺の最終的な判断は、実際にアクティブ投資をしている方や資金を投じる方の判断に任せるべきだと思います。

私の意見を参考にする必要は全くありません。

バンガードの意見も鵜呑みにすることはありません(私のようなその辺の素人よりは全然マシだと思いますが)


【知識を積み重ねることで、大きな間違いを減らす】

ただ「このような研究もある」ということを知り、それをどんどん積み重ねていくことが、熱意をもってアクティブ投資をする方にとっては重要だと思います。

勉強しても劇的に能力が向上したり、投資リターンが改善するとは限りませんが、大きな間違いを防いだり、知識不足が故に失敗してしまうといった状況はある程度減らすことが可能だと私は思います。

変な素人の予測やニュース、宣伝広告や煽り文句に、過剰に反応したり、不相応に高く評価したり、すぐに飛びついたりなど、

そういうことに、いろいろ振り回されることはなくなると思いますし、投資判断を「大きく」間違える可能性も少しずつでも改善されていくのではないかと思います。

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