【ミーム株ブームの行きついた先】


本日ブルームバーグにとても興味深い記事がありました。

デイトレーダー軍団、「ミーム銘柄」時代に稼いだ利益全て失う



モルガン・スタンレーの推計によると、新型コロナ感染対策のロックダウン(都市封鎖)開始時に株式市場に飛び込んだアマチュア投資家は、

今年は損失に見舞われており、かつての驚異的な利益を全て失った格好だという。

この計算は2020年初め以降の新規参入者によるトレードに基づくもので、全体の売買損益を集計するための公開の価格フィードデータなどを使用している。

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デイトレーダーによる投資ブームのピーク時に名をはせた銘柄は深刻な値下がりに見舞われている。

AMCエンターテインメント・ホールディングスは21年6月以来78%下落し、年初来では49%安。ペロトン・インタラクティブは最高値から90%値下がり。

ゴールドマン・サックス・グループが算出する小口投資家に人気銘柄のバスケットは20年初めから昨年11月までに2倍強に値上がりしたが、今年は32%下落し、S&P500種株価指数の2倍余りの値下がり。

とのことです。

「ロビンフッド族」や「ミーム株」「ゲームストップ騒動」など、もはや懐かしい単語群ですね。

日本でも一時話題となり、一部投資インフルエンサーも推奨していましたが、

今となっては(というか当時から)なんで「あんなに話題だっかのか」と思った方も多いと思います。


「補足」ゲームストップ騒動とは?

米国の株式市場では、コロナ禍の下「ステイホーム」が推奨される中、取引用アプリのダウンロードや取引手数料などがすべて無料と宣伝する証券会社ロビンフッド社を通じて頻繁に売買を行う個人投資家が急増している。

そうした中で、2021年1月下旬、投資家向けのネット掲示板 Reddit への投稿内容に刺激された一部の個人が、空売りファンドに対抗するためとしてゲーム小売りチェーンであるゲームストップ社の株式に大量の買い注文を集中させるという事態が生じた。

ゲームストップ株騒動とペイメント・フォー・オーダーフロー(野村総合研究所)より



【届かなかった声】



新型コロナ流行下で生まれ米金融当局の緩和策で弾みがついた熱狂的な投資は、ここにきてインフレという悪材料で影を潜めている。

世界各国の中央銀行は利上げを通じてインフレ対策を進めており、その結果、20年3月の景気対策開始時に急騰した投機的な銘柄は弱気相場入りしている。

タトル・キャピタル・マネジメントのマシュー・タトル最高経営責任者(CEO)は

「こうした人々の多くはコロナ禍になってトレーディングを始めただけに、彼らの投資経験は米金融政策で活気づいた狂乱の相場しかない」と指摘。

昨年11月の米金融政策転換で全てが一変したが、彼らは米金融当局の支援のない市場を経験したことがないため気づかなかった。その結果はぞっとするものだ」


金融緩和から金融引き締めへの転換により、市場環境は一変しました。

とはいえ、このFRBらの方針転換は、ブラックスワンでも予想外のことでもなく、

私のような普通の個人投資家でも、「異例の緩和はいつまでも続かない」といった記事を書けるくらいには、教科書通りの、当たり前の出来事だったと思います。

私なんかよりも遥かに実績も、経験も、知識もある、ウォーレン・バフェット氏やバンガード社を始め、多くの方が警鐘を鳴らしていたと思うのですが、そう言う声は、米国の若い投資家の耳には届かなかったようです。

【Going My Way】

ちなみに、ロイターによれば、今年の4月の時点で、大きな損失を被ったにも関わらず、米国の一部の個人投資家は今のところ、こうした投機的な資産の上昇継続に賭けるのをやめていない。そうです。



バンダのアナリストチームによると、個人投資家は年初に人気だった大型株の買いを減らし、投機的な銘柄にシフトしている。「より若く、積極的な投資家」が今年初からの損失を取り戻すために「主に投機的なミーム株、コールオプション、暗号資産を買っている」という。

市場環境が変わったり、判断を誤ったと思ったのであれば、戻るのも一手だと思いますが(笑)

彼らの多くは損失を取り戻すため、そのまま突き進むです。

確かに一時期よりはこういう資産の値が下がっているもの事実でしょう。

ただ、下がったまま2度と戻らない投資対象もたくさんあります。

彼らの進んでいる道が、「インパール」なのか「GO・GO・Heaven」なのかは私にはわかりませんが、幸運を祈ります。


【ARKKもクリエネETFも】

今回はミーム株がそうでしたが、一時あれだけもてはやされていた、ARKKもピーク時から71%も下落し、株価45.63ドルまで下がりました。

コロナショックの際の市場全体の下落時を除けば、2018年後半~2019年中盤くらいの水準で戻ったことになります。

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その前にはクリエネETFのブームがあり、

株価が上昇してきた『後』で、日本の米国株界隈でも話題になり始め、

ピーク時には「S&P500より低リスク」「S&P500を売ってクリエナETFを買え」という感じで、

某投資インフルエンサーが強く推奨していました。


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が、まさか、その強く推奨した翌日がピーク(直近最高値)となり、その直後に株価は大きく下落するという伝説を残しました。

そのまま現在に至るまで、ズルズルと下げ、当時より40%以上株価は下落しています。

トレーディングの世界は未知の世界。 わからないこともたくさんあるよね。


【まとめ】

こういったブームは、株式市場の歴史の中で、

過去、何度も、何度も、何度も繰り返されてきました。

ブームになる前に投資をして、上手く売り抜けることができる人は別ですが、多くの投資家が、ブームの渦中で高値で飛びつきやられています。

何度でも、何度でも、何度でも、繰り返し言いますが、流行やブームに流されないように注意しましょう。

株式市場は長期的に右肩上がりなんてよく言われますが、その一方で、愚かな人から賢い人へとお金を移す装置だということも忘れてはいけません。

特に初心者の方や、経験が浅い方はブームや流行、ミスターマーケットから距離を置き、基本に忠実に航路を守り投資をすること私はお勧めします。

株式投資では大きく儲けるのと同じかそれ以上に、大きく失敗しないことが資産を増やすカギとなります。

あえて、初心者の方がチキンレースに後から飛び乗る必要がどこにあるのでしょう。


あんな、歴史的なボーナス相場でもこうなるのですから尚更です。

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歴史は繰り返さないが韻を踏むとも言います。

まあ、こういうことは、1万回言ってもなかなか伝わらないかもしれません。

でも、私はあきらめずに優しく1万1回目の言葉を紡いでいきたいと思います。


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