【保守的な投資家程よく眠れない3カ月】

ウォーレン・バフェット氏の師の一人、

フィリップ・フィッシャー氏の著書に「保守的な投資家ほどよく眠る」という本があります。

個人的に好きな投資本のうちの一冊なのですが、

今年の第1四半期は、このタイトルとは真逆の結果になった。

という話を書いていきたいと思います。

注)為替の影響を考慮せず、ドルベースで書いていきます。


【投資の基本】


一般的に、ポートフォリオのリスクは、

株式に加重をしている人ほど高くなると言われています。

ですから、保守的な投資家は株式の比率を控えめに、

債券の比率を多めにするのが投資の基本とされています。



【2022年第1Qの米国市場】

さて、2022年の第1四半期を振り返ってみると、

米国の株と債券の両方がマイナスリターンとなった3カ月でした。

例)VTI(全米株式)‐6.0% BND(米国総合債券ETF)‐5.2%


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3月後半、米国株式市場(VTI)が急反発したので、

四半期ベースのリターンはまだマシになりましたが、

例えば、米国株式と債券60/40ポートフォリオのリターンは、年初来10%以上の損失を出し、

3月16日時点では、2008年に起きた金融危機以来の不成績となるなんて報道もありました。


Sell-Everything Market Sends 60/40 Funds on Worst Run Since 2008



【リスク許容度の低い人目線で見てみよう】

さて、ここまで振り返ったところで、

この株式と債券が同時に下がる珍しい四半期が、

保守的な投資家にどんな影響を与えたのか。

下の図をご覧ください。

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この図は、1972年以降、つまり過去50年間の、

米国株式と債券に30:70のPFのリターンの分布を表したものです。

「30/70PF」で運用する保守的な投資家は、

なんと、過去50年間のうち、4番目にひどい四半期を経験したことになります。

2022年第1Qより悪い四半期は、過去50年間で3度しかありませんでした。


「30/70」PFの投資家は、ほとんど誰にも気づかれないところで、

保守的に運用していたにも拘わらず、歴史的な大打撃を受けていたわけです。

そういう方は、元々リスク許容度の低めの、

堅実で保守的な投資家の方々や退職後の方が多いと思われますから、

この難しい第1Qを本当によく乗り越えた、耐えたと思います。


今後数か月くらいこういう局面が続くかもしれませんが、

四半期は珍しいことと、長期的な視点でとらえること。

そして、リターンの分布の狭さ(リスクの小ささ)も再確認し、

規律ある投資を続けていきましょう。


【リスク許容度高い方視点】

さて、今度はリスク許容度の高い人視点で見てましょう。

以下は過去50年の米国株式70:米国債券30の四半期ごとのリターンの分布です。

上のグラフよりも横に伸び、プラス方向にもマイナス方向にも、よりばらつきがあることがわかります。
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「70/30」PFを運用する投資家視点で見てみると、

‐5.5%以上下落した四半期は、過去23回もあり、

単純計算すると8.7四半期に一度、

つまり2~3年に一回は、今年第1Qと同じかそれ以上、

パフォーマンスの悪い四半期にぶつかってきた。

ということがわかります。

保守的な投資家の皆様にとっては珍しいドローダウンも、

よりリターンを望む投資家にとっては当たり前に受け入れなくてはならないリスクとなります。

どちらがよいとか正しいというわけではなく、

自身の環境や性格、リスク許容度に合う資産配分で投資を行うことが大切だと思います。


【最後に】

株式(VOOなど)を100%で運用する方や

レバレッジを用いて100%以上で投資をする方は、

これよりも更におもしろいことになります。


S&P500の年初来最大ドローダウン13%は、

過去の年間最大ドローダウンの中央値くらいですし、

そういう運用をしている方々からすれば、

2022年第1Qみないな四半期はあって当然といいますか

全く騒ぐに値しない、いつも通りの3カ月だったと思います。


もし、年初からの3カ月で不安を感じたり、

不必要に喚き散らして騒いだり、悲観的になって黙り込んだり、

日常生活が手につかなくなったという方がいれば、

今後、長期投資をしていれば、より悪い相場やひどいドローダウンを、

何度もくらう可能性は当然考えられるので、

過去のリターンだけではなく、リスクやドローダウンもしっかりと考えたうえで、

自身に合う資産配分で運用することが大切だと思います。


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