【イールドカーブ逆転について】
29日の米国債市場で2年債の利回りが10年債を上回る「逆イールド」現象が一時発生しました。
これを受けて、米国のリセッション(景気後退)の可能性が高まったとの観測が強まっています。
イールドカーブ逆転について、騒ぎ立てるメディア記事もある中、
債券投資大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエリン・ブラウン氏は、そうした懸念は時期尚早だとしています。
ブルームバーグ「PIMCO、逆イールドは必ずしもリセッション示唆せず」
【識者はこう見る】
一方、ロイターは「米2・10年債利回り逆転:識者はこうみる」と題し有識者の意見を掲載。この記事の中になかなか面白い見解が登場します。以下一部引用
【特集記事も】
更にロイターは「焦点:米2‐10年債利回り逆転、景気後退は本当に来るのか」という特集記事でいろいろな有識者の意見をまとめています。
個人的には、
デューク大学フクア・スクール・オブ・ビジネスのキャンベル・ハーベイ教授の意見や
〇アライアンスバーンスタインのシニアエコノミスト、エリック・ウィノグラッド氏の
といった意見が面白く感じました。
【まとめと感想】
米国のインタビューを受けた有識者の意見を読んでみると、
意外と騒ぎ立てるよな解説やコメントは少なく、
賛否両論あるものの、いずれにしても冷静で落ち着いたものが多い印象を受けました。
もし、市場全体に投資をするようなインデックスファンドを用いて、オーソドックスで基本に忠実に長期投資をしている方であれば、
あまり騒いだり、特別なことをすることなくいつも通りの投資を続けることが大切だと思います。
【ITバブルの小話】
1990年代の約10年に渡る上昇相場の中、1995年の米国株式市場の急上昇の後、早くも米国株式市場はバブルだという声が聞かれました。
しかし、そこでもし、株式市場から全降りした後、売値より株価が下がったら買い戻そうと断固たる意思で決断し、それを愚直に貫いた投資家は、
2022年3月30日現在に至るまで、2度と米国株式市場に戻ってくることができず、結局1996年から約11倍になった米国株式市場を指をくわえたまま見ていることとなりました。
これは、まあ極端な冗談ですが、
結局、イールドカーブ発生から「株式市場の下落→景気後退」の間に、株価がどのくらい上昇するか、その後どのくらい落ちるのか、ピークと反発がいつなのか。
そういうことがわからない以上、普通の個人投資家に確実にできることはそう多くはありません。
景気後退に備えるという意味では、いろいろな戦略や手法が考えられますが、
私のようにパッシブ運用している投資家の方は、まずは確実にできること。自分にコントロールできることに注力し、いつも通りの投資を継続することが大切だと思います。
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29日の米国債市場で2年債の利回りが10年債を上回る「逆イールド」現象が一時発生しました。
これを受けて、米国のリセッション(景気後退)の可能性が高まったとの観測が強まっています。
イールドカーブ逆転について、騒ぎ立てるメディア記事もある中、
債券投資大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のエリン・ブラウン氏は、そうした懸念は時期尚早だとしています。
ブルームバーグ「PIMCO、逆イールドは必ずしもリセッション示唆せず」
「当然注目していますし、少なくとも過去には景気後退の良い先行指標でしたが、今のところ目新しいことを教えてはくれません」
「今がサイクル後半なのはわかっていたことです」
「今がサイクル後半なのはわかっていたことです」
【識者はこう見る】
一方、ロイターは「米2・10年債利回り逆転:識者はこうみる」と題し有識者の意見を掲載。この記事の中になかなか面白い見解が登場します。以下一部引用
ナショナル・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏
イールドカーブ(利回り曲線)の逆転がリセッション(景気後退)の前兆になるとの見方は多くの誤った判断を生み出してきた。
2019年の逆イールドを受け、あたかもパンデミック(世界的大流行)を予見したかのように「ほら見ろ、20年はリセッションに陥った」と声高に叫ぶ姿は滑稽だ。
逆イールドが発生してからリセッションに陥るまでには傾向的に12カ月から24カ月のタイムラグがある。最短で6カ月、最長で24カ月だ。そのため、一般的に実用的なものではなく、話題に上る程度と言える。
<ナティクシス・インベストメント・マネジャーズの主任ポートフォリオ・ストラテジスト、ジャック・ジャナジウィッツ氏>
イールドカーブ(利回り曲線)のことばかり質問されるが、これに対する私の答えは、いささか皮肉なものとなる。
もし本当に経済の方向性、ひいては株式市場の方向性を教えてくれる指標があるとしたら、今ごろ私はおそらくビーチでピニャ・コラーダ(カクテル)でも飲みながら隠居生活を送っていることだろう。
だが結論から言うと、そんなに単純な話ではない。
2年債と10年債のイールドカーブは景気後退(リセッション)の到来を告げるのにかなり良い実績がある。とはいえ今日では昔とかなり異なる状況がたくさんある。
その一つとして、量的緩和(QE)が10年物以上の部分を抑制している可能性が指摘される。QEによって10年物以上先のカーブが抑制されたため、カーブが容易に反転したのかもしれないということだ。
【特集記事も】
更にロイターは「焦点:米2‐10年債利回り逆転、景気後退は本当に来るのか」という特集記事でいろいろな有識者の意見をまとめています。
個人的には、
デューク大学フクア・スクール・オブ・ビジネスのキャンベル・ハーベイ教授の意見や
「多くの人がここに注目しており、自己実現の様相を呈してもおかしくない。2─10年債利回りの逆転を目にした人々はリセッションがやってくると考え、行動を変えるだろう。だからあなたが企業経営者なら、設備投資や採用の計画を圧縮する」
〇アライアンスバーンスタインのシニアエコノミスト、エリック・ウィノグラッド氏の
逆イールドを巡る議論は「熱くなり過ぎ」だと指摘。「論じられている内容は理解できるし、リスクテークの観点からフラット化や逆イールドが幅広いリスク資産にとって試練の1つになるとも思う。だが、5ベーシスポイント(bp)の差で逆イールドになったかどうかで、リセッションについて私の不安は増さないだろう」
といった意見が面白く感じました。
【まとめと感想】
米国のインタビューを受けた有識者の意見を読んでみると、
意外と騒ぎ立てるよな解説やコメントは少なく、
賛否両論あるものの、いずれにしても冷静で落ち着いたものが多い印象を受けました。
リセッション・景気後退の予想という面で、イールドカーブは数多くの指標の1つに過ぎません。
気にする方の意見も理屈的ことも、とてもよくわかりますが、それでも未来はどうなるかわかりません。
数十年間に6回(うち一度は微妙)しか起きていないので何とも言えません。今後21世紀は傾向が変わっていくかもしれません。
優秀な債券投資家の皆様や短期投資家の方、動的なPF戦略を採用している方などはまた別だと思いますが、気にする方の意見も理屈的ことも、とてもよくわかりますが、それでも未来はどうなるかわかりません。
数十年間に6回(うち一度は微妙)しか起きていないので何とも言えません。今後21世紀は傾向が変わっていくかもしれません。
もし、市場全体に投資をするようなインデックスファンドを用いて、オーソドックスで基本に忠実に長期投資をしている方であれば、
あまり騒いだり、特別なことをすることなくいつも通りの投資を続けることが大切だと思います。
【ITバブルの小話】
1990年代の約10年に渡る上昇相場の中、1995年の米国株式市場の急上昇の後、早くも米国株式市場はバブルだという声が聞かれました。
しかし、そこでもし、株式市場から全降りした後、売値より株価が下がったら買い戻そうと断固たる意思で決断し、それを愚直に貫いた投資家は、
2022年3月30日現在に至るまで、2度と米国株式市場に戻ってくることができず、結局1996年から約11倍になった米国株式市場を指をくわえたまま見ていることとなりました。
これは、まあ極端な冗談ですが、
結局、イールドカーブ発生から「株式市場の下落→景気後退」の間に、株価がどのくらい上昇するか、その後どのくらい落ちるのか、ピークと反発がいつなのか。
そういうことがわからない以上、普通の個人投資家に確実にできることはそう多くはありません。
景気後退に備えるという意味では、いろいろな戦略や手法が考えられますが、
私のようにパッシブ運用している投資家の方は、まずは確実にできること。自分にコントロールできることに注力し、いつも通りの投資を継続することが大切だと思います。
いつもありがとうございます。
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