【ARKKから学ぶ教訓】
米国グロース株に投資をするファンド「ARKK」
リターンの低下と資金の流出が話題となっています。
2020年の年間リターンでは、
S&P500の18%に対して、ARKKは153%と圧倒的な差をつけました。
しかし、その後、ARKKは昨年2月の最高値から50%以上下落。
2022年1月18日時点で、その差はほとんどなくなっています。
「キャシー・ウッド氏、旗艦ETFの輝き失う-S&P500との差が縮小」
【少し前の投資家が見ていた世界】
少し前の投資家はこういうチャートを見て判断していました。
ほんの少し前までは、
ARKKやキャシーウッド氏を褒めたたえる記事やニュースがたくさんありました。
ARKKの投資した銘柄を後追いする手法も話題となりました。
日本でも、当時特定口座に対応していないサクソバンク証券を用いてまで、
ARKK購入を勧める記事も見受けられました。
ARKK購入を勧める記事も見受けられました。
【過去のリターンが将来のリターンを決めるわけではない】
もし、過去のリターンが未来のリターンを決定づけるのなら、
投資はどんなに楽なものとなるのでしょう。
バックミラーを見て、最もリターンの良いものに投資をすればよいだけですから。
例えば、2021年の国内投信のリターンランキング1位はNasdaq3倍ブルですが、
早速、2022年初から大苦戦しています。
ITバブル後、米グロース株をアウトパフォーマンスした米バリュー株や新興国株が、
ここ7年程グロース株に負けたように、市場には流行やサイクルがあります。
一つの戦略、手法が、永遠に市場をアウトパフォーマンスするというのはまずありません。
「過去のリターンが将来のリターンを保証するものではない」ということをよく学びましょう。
【ARKKのGoogleトレンド(日本)】
ARKKのGoogleトレンド(日本)を見ると、
2020年前半まではぼちぼちで、株価が大きく上昇した後の、2020年中盤以降で人気高まったということがわかります。
2020年前半まではぼちぼちで、株価が大きく上昇した後の、2020年中盤以降で人気高まったということがわかります。
そのずっと以前からARKKをブログ等で紹介し、投資をしていた、先見の明がある優秀な人を私は複数人知っていますが、
そういう人たちを除く、多くの日本人投資家がARKKに興味を持ち、投資を検討、実地したのは、2020年中盤以降だったことと思います。
でも、そういう方の多くは、
結果的にARKKを高値掴みしてしまうことになりました。
2021年中盤から現在までの間は、
ARKKよりもよいリスク・リターンを上げる投資対象は他にたくさんありました。
人気の投資対象に飛びつくのが難しいということがよくわかります。
アクティブETFですから、
ベンチマークより良い動きをする時もあれば、悪くなることもあります。
そして、株式市場や流行、外部環境が変化するのは当たり前の事です。
同じことがずっと続くなんてことはありません。
ARKKを勧めていた人が、今もARKKを勧めているのか。
もしくは、ARKKが不調に陥っている中、どう主張を変えていったか。
それとも何も言わなくなったのか。
そこら辺に注目して、動画を見たり記事を読むのも面白いと思います。
「ARKKを買うためだけに、特定口座のないサクソバンク証券に口座を開く価値はある」というパワーワードも当時ありましたしね。
なぜ、そこまでして、サクソバンク証券に口座を開かせたかったのでしょう。
何か理由でもあったんですかね?。私気になります。
【レバナスとトレンド】
日本の投信を振り返ってみると、
だいたいテーマ型ファンドは設定・販売されるのが遅く、
そのブームの終わりの方で発売されます(たまに早すぎることもありますが)。
レバナスのGoogleトレンドはこんな感じ。
2020年後半から徐々に増え始め、2021年6月末に大きく一度跳ね、
2021年後半にかけてどんどん人気となっていきました。
Nasdaq100は特に2016年以降、S&P500を大きく上回る成績を残してきました。
過去10年のリターンを誇るNasdaqの投資かも多いと思います。
でも、過去10年のリターンを誇るレバンス投資家の多くが、
実際にレバナスに投資できたのは、
だいぶ株価が上がった後の2020年くらいからだったと思われます。
投信が発売されたのが割と最近で、
それが話題になったは、更にその後だったから仕方ありません。
りんり@バンガードS&P500ETF(VOO)@SandP500ETFレバナスに関する良いデータありがとうございます。
2022/01/24 18:22:29
資金流入も、株価が上昇し、トレンドになった「後」で急速に拡大していますね。 https://t.co/FEG6VCKJlA
で、話題になり、資金が流入した後、
ナスダックがどうなったかというと、
現時点まではあまりパッとしていません。
トレンドが上昇を始めた2021年7月以降のQQQとVOOの比較です。
少なくとも過去10年(特にここ数年)のように、
ナスダックはS&P500を圧倒するようなパフォーマンスを、今のところは残せていません。
Nasdaqに限らず、どんなに良い投資対象でも、高すぎる価格で買えば、将来のリターンは押し下げられます。
【過去10年のリターンを本当に誇っていい人】
これはNasdaqに限った話ではありませんが、
過去10年と同じリターンを得るためには10年前に投資をする必要があります。
10年前に投資をしずっと保有している人は、それを誇っていいと思います。
ここ最近投資をした人が過去10年のリターンを誇っても、
それは、捕らぬ狸の皮算用のようなものだと思います。
私もNasdaq銘柄にも多く投資をしていますし、
テクノロジーが人類の未来を良くすると信じていますが、
それに投資をして儲かるか、すぐに金持ちになれるか、
市場をアウトパフォーマンスするかはまた別問題だと思っています。
投資は成長とバリュエーションその両面を見なくてはいけません。
今回はたまたま直近の例として、ARKKやレバナスを取り上げましたが、
これは、少し前ならクリエネだったり、バイオだったり、SPYDだったと思います。
そこら辺に深い意味はありません。ブームとサイクルのただの一例です。
【まとめと感想】
長くなりましたが、今回の話を3行でまとめると、
〇流行やトレンドは変わるので、ブームに乗った投資をするのは難しいよね。
〇周囲に流されて高値掴みしないように気を付けましょう。
〇過去のリターンと将来のリターンは違います。
こんな感じです。
こんな普通で当たり前のことが、
欲に目がくらんでしまうと急にできなくなってしまう方も中にはいます。
ただ、ポディティブに考えると最近投資を始めた方が、
運用初期にこのことを学べたのは非常に良いことだと思います。
運用初期にこのことを学べたのは非常に良いことだと思います。
最初からベテランのように投資できる人や上手にできる人の方が稀です。
このほろ苦い経験を、今後の投資人生に活かし、役立てることが大切だと思います。
多くの方にとって、
今日が投資人生最後の日というわけではないはずです。
良い時もあれば悪い時もあるのが市場。
いろいろ学びながら、気長に投資を続けていきましょう。
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