00.

【S&P500は史上2番目の記録達成】

S&P500は、2021年に終値ベースで67回史上最高値を更新しました。

1995年の77回に次ぎ、1929年以降で2番目の更新回数となりました。

何だかんだで、今年はS&P500や米国株投資家にとって、

イージーで恵まれた1年だった事がわかります。


【S&P500企業の成長は鈍化?】

ただ、S&P500のEPS予想は、9月30日以降の第4四半期で0.1%しか伸びていません。

インフレやサプライチェーンの問題も続く中、金融の引き締めが開始されると予想されています。

現在の高い米国株のバリュエーションに加えて、

コロナからの急回復を終えつつある米国企業の利益成長の鈍化が懸念されています。

楽勝で爆走できる市場はいつまでも続くわけではありませんから、

そこは忘れないようにしましょう。



【朗報!指数効果は低下傾向に】

とまあ、悪い話だけではあれですから、

S&P500投資家にとって一つ良い話を紹介します。


インデックス投資の弱点の一つに「銘柄入れ替え」があります。

某国みたいにいつまでもゾンビ企業が指数に残っているのも問題ですが、

「銘柄入れ替え」を利用されて損をしたり、コストがかかったりとあまり良くない面もあります。


先日記事にしましたが、

S&P500には1995年年初から2021年6月までの間に、

715銘柄が新たに採用され、711銘柄が除外されました。

詳細は過去記事「http://etfsp500.com/archives/29250158.html


この追加採用された715銘柄のリターンの推移を分析すると、近年おもしろい傾向が見られます。


00.
引用 S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスLLC、ファクトセット。


AD 指数に追加また除外される銘柄をS&Pダウジョーンズが発表する日。

ED 構成銘柄の変更がS&P500に反映される直前の市場終了日。

例えば、AD21は発表日の21日前。AD~EDは発表日から有効日。ED+5は有効日の5日後を表します。


過去25年の追加銘柄715銘柄の発表日(AD)から実行日(ED)の間の超過リターンの中央値は、

1995年1月から2021年6月までの全期間で3.47%となっていました。

ただ、期間毎に区切って見てみると、

近年では銘柄入れ替えの発表後の超過リターンは低下していることがわかりました。

1995~1999年   8.32%
2000~2010年   3.64%
2010~2021年 ー0.04%


追加銘柄のいわゆる指数効果は近年減少している傾向にあります。

同様の傾向は、銘柄リターンやS&P 500のセクター指数との比較でも見られました。



【流動性の拡大が主な要因】

指数効果の低下の1つの理由としては、米国株式市場がより深みを増したことが挙げられます。

1996年以降、S&P400とS&P600に連動する企業の資産は、大型株以上に増加しています。

1996年以降、S&P500に連動する資産が9倍になったのに対して、S&P400は12倍、S&P600は90倍となりました。

S&P400およびS&P600に連動する資産は、2020年末時点でそれぞれ2,070億ドル及び990億ドルとなっています。

この米中小型株市場の規模の拡大が、流動性の改善に貢献した可能性があるとされています。


少しだけ難しい話をすると、
00.
https://www.spglobal.com/spdji/en/documents/research/research-what-happened-to-the-index-effect.pdf


インパクトコストの変化が、1997年~2021年の間のS&P500への追加銘柄の超過リターンの中央値の変化の50%以上を説明し得ることを示唆しています。

SPダウジョーンズのレポートによると、この間のS&P400指数とS&P 600指数に連動する資産の拡大が、追加銘柄の流動性を改善し、指数への追加による株価への影響を抑えることに貢献したことを示唆している。とされています。


余談ですが、除外された銘柄(倒産や合併等除く)の流動性も、発表前(AD)前と比較して、ED後に高まりました。

つまり、この事は、S&P500構成銘柄は、指数から除外された後でもアナリストや投資家の関心という点において恩恵を受ける可能性があります。



【まとめ】

長くなりましたが、一言でまとめると、

S&P500の弱点の一つである銘柄入れ替えによる影響は、昔に比べ少なくなってきている。

そんな感じです。

S&P500に限らず、TOPIXでもMSCIでも、多かれ少なかれ銘柄入れ替えがあり、それは、インデックス投資において弱点の一つとなります。

ただ、この弱点を補い余って、コストや分散効果、手軽さなど大きなメリットもあるのがインデックス投資だと思います。

また、入れ替えの弱点を突かれていてもなお、S&P500を長期的に上回る米アクティブファンドは少ないという事も忘れてはいけません。

決して完璧ではありませんし、弱点もいくつかあるS&P500指数ですが、

変な投資対象や投資戦略を採用するよりは随分マシなアイディアの一つだと思っています。

これに、時間や労力もかからないというメリットなどと合わせて考えると、

私にとっては多くの投資戦略の中で最も合っている投資手法なのかなと思います。

もちろん、いろいろな投資戦略があると思いますが、基本的にマーケットの流動性が高まっていることは良いことだと思います。

私はこれからも気長にVOOに投資を続けていきたいと思います。


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