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【ディフェンシブ銘柄がいつも安全とは限らない】


S&P500の11セクターのうち、生活必需品や公益セクターはよくディフェンシブなセクターだと言われます。

そこに魅力を感じて投資をしている人も多いかもしれません。

しかし、今年市場が下落した際、生活必需品や公益セクターはあまりその守備力を発揮することができませんでした。


例えば、今年の3月S&P500が4%程度下げた際、両セクターはさらに大きく下落しました。

5月から夏にかけても同様です。

先月市場が下落した際は生活必需品はS&P500と同等だったものの、公益セクターはより大きくドローダウンしました。

ディフェンシブと言われる銘柄やセクターが常に安全とは限りません。



【S&P5に投資をしていれば安全か】

2~3年前からSP5(アップル、アマゾン、アルファベット、フェイスブック、マイクロソフト)のリターンと残りのS&P約495社のリターンを比較し、

残りの495社のリターンは低い。S&P500の足を引っ張っている。SP5にだけ投資をすればいい。

というような主張が度々聞かれるようになりました。


私は、これに対してそもそもSP5より更に高いリターンをあげている株もあるし、

GAFAMは相関が高く、似た要因で下落する時もある。

SP5だけではなく違う業種・セクターの良い銘柄も組み合わせた方が、

リスク分散という面で良いんじゃないか。というような記事を書きました。

http://etfsp500.com/archives/28051581.html


さて、S&P500は9月2日の史上最高値から10月4日までに-5.2%の下落を見せました。

これに対しSP5は最大で-9%を超える下落となりました。

SP5がいつも好調とは限りません。

【ポイント】

誤解しないで欲しいのはSP5、ビックテック、

もしくはディフェンシブ銘柄が悪いと言っているのではありません。

どれも素晴らしい企業、銘柄、セクターだと思います。

ただ、個別株の場合はS&P500のようなインデックスに比べて、どうしても何倍もリスクが高くなってしまう傾向があります。

個別のセクターも特定の要因に脆い所があります。

良い時は『過去の』リターンばかりに目がいって、リスクを軽視しがちになりますが、

良い面と悪い面、両方を良く見て投資をすることが大切だと思います。


【大切なのは言葉の強さやイメージではない】


また、「クリエネETFはS&P500より安全だ」とか「VTIは現金」とか。

相場の良い時はいろいろなパワーワードが生まれます。

よくもまあ、次から次へと思いつくものだと感心しますが、

でも結局、クリエネETFはS&P500よりも安全ではなかったですし、VTIは現金ではありませんでした。

テーマ型ファンドにも似たような事が言えますが、

一時の流行や、声の大きさ、人気、言葉のインパクトに惑わされない事も大切です。



【わからない事に備える投資を】

高配当株がいつまでも高配当株とは限らないし(減配など)

グロース株がいつまでも期待や高い株価を正当化できる程、高い成長を続けるとは限りません。

過去記事で紹介した通り、米国の企業は成長するにつれて成長速度が鈍化していきます。

http://etfsp500.com/archives/27066638.html


あなたがいくらでその株を買ったとか、

どんなシナリオを考えているかとか、

どのくらい投資をしているかとか、人生がかかっているとか。

マーケットはそんなのお構いなしで、日々動いていきます。

株式市場はいつも自分の思い通りになるとは限りません。

そのことを忘れずに、投資を続けていきましょう。



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