【9月30日 米国株式市場】

主要株価3指数は揃って下落。

月間ベースでも、S&P500は2020年3月以来の大きな下げとなりました。

ダウ    33,843 -1.59%
ナスダック 14,448 -0.44%
S&P500     4,307 -1.19%

小型株指数のラッセル2000は-0.94%と下落。

VXUS(米除く全世界株式)は-0.08%と小幅に下げました。

米10年債利回りは1.492。-0.047とやや低下。

VIX指数は23.67。前日比+1.11と上昇。

NYSEの出来高は6.85億株とここ数日に比べ少なくなっています。


【為替・コモディティー】

ドル円 111.29
NY原油 75.03 +0.3%
NY金    1,757     +2.2%

原油は一時下げる場面も見られましたが上昇。

金も反発。安全資産への逃避からか金が買われました。

ビットコインは43,618ドル。+1.29%と上昇しています。



【S&P500マップ】

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【セクター】

通信    -0.4%
情報技術  -0.7%
公益    -0.8%
ヘルスケア -1.3%
エネルギー -1.4%
一般消費財 -1.5%
素材    -1.6%
不動産   -1.6%
金融    -1.6%
生活必需品 -1.8%
資本財   -2.1%

半導体などハイテク株の一部には買いも入ったもの、全てのセクターが下落。

産業、銀行、生活必需品、住宅関連株など幅広く売られました。


【スタイルボックス】

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昨日下げたグロース株は小幅な下落。

昨日踏みとどまったバリュー株が大きく売られました。


【過去1カ月のS&P500マップ】

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月単位でみると、9月は幅広い銘柄が下げる中、

原油価格の上昇によりエネルギーセクターが、債券利回りの上昇によって銀行株がそれぞれ上昇しました。


【個別株】

〇ヴァージン・ギャラクティック +12.15%

ロケットの打ち上げで経路を逸脱したことを報告しなかった件の調査が終了。

FAAと協議の後飛行が再開できるようになったと発表がありました。



【新規失業保険申請件数(季節調整済み)】

結果 36.2万件 予想 33.5万件 前週 35.1万件

9月25日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は36.2万件

前週より1.1万件増加。3週連続で増加となり、予想より悪化しました。

カリフォルニア州の山火事や、ハリケーン「アイダ」の景況も指摘されています。


【ワシントンの動き】

米上下両院は、10月1日から始まる2022会計年度の一部資金を手当するつなぎ予算案を可決しました。

これによって、連邦政府機関の一部閉鎖は回避される見通しです。

また、下院は29日に債務上限適用を22年12月まで凍結する法案を可決。

上院民主党トップのシューマー院内総務は上院でも、早ければ来週にも採決する可能性があると述べていますが、共和党が阻止に向かうと予想されています。

また、バイデン政権の掲げる1兆ドルのインフラ投資法案を巡っては、民主党の進歩派と穏健派の立場の違いが鮮明となっており、頓挫するリスクも指摘されています。



【Jay Pestrichelli氏のコメント】

投資会社ZEGA FinancialのCEO、Jay Pestrichelli氏が秀逸だったので紹介します。

「歴史的に見て、9月は平均して最悪の月であるため、9月が弱くなるのはそれほど驚くことではない」

「残念ながら、この結果から10月に向けて得られる情報は多くはない」


【まとめ・感想】

政府機関の閉鎖が回避される見通しとなりましたが、S&P500は下げ幅を拡大して終了しました。

投資家の不安要素は、ワシントンの政治だけではなく、

FRB、インフレ、サプライチェーン、エネルギー需給、中国、企業・経済成長の鈍化、バリュエーション、決算など多岐に及んでいます。

ここ数週間は長期債利回りの上昇やデルタ株、FRBのテーパリングや政治の問題が更に株価に追い打ちをかけました。

米小売の決算がいくつか発表されましたが、あまり良い内容でなく、シャーウィン・ウィリアムス社やナイキ社などサプライチェーン問題やインフレの影響に言及している企業も見られました。

これらの問題の多くは、今日明日解決すると言った話ではなく、今後数か月から数年にわたって投資家が付き合っていかなくてはいけない問題となります。

あまり、今日明日の株価やニュースに一喜一憂せず、落ち着いて冷静に投資を続けていきましょう。


S&P500は月間で-4.76%となり、月別ではコロナショック以降最大の下落幅となりました。

ナスダックも月間で-5.73%と下げています。

四半期としても新型コロナウイルス感染が始まって以降最大の下げを記録しています。

この下げを騒ぎ立てる報道もありますが、

それでも、S&P500ETF(VOO)年初来で15.92%のリターンとなっています。

あまり目先の株価の動きに捉われず、長期的な視点を維持することが大切だと思います。


今回は-4.76%でしたが、そもそもS&P500が5%程度の下げることは割とよくあることです。

1998年から2021年6月末までの間、S&P500が5%以上下落した月は282ヵ月中32回ありました。

23年半で32回です。

投資戦略にもよりますが、インデックスファンドを用いて長期投資をしている方であれば、

日々のニュースや株価の上下に惑わされることなく航路を守り投資を続けていきましょう。


お読みいただきありがとうございました。

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