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【第2Qの決算を振り返って】


現在までにS&P500企業の91%が第2四半期の決算発表を終えました。

87%の企業が予想を上回る売上高を残し、13%が予想を下回る売上高を発表しました。

全体で予想を+4.9%程上回りました。

2021年第2四半期の売上高が予想を上回った企業の割合は、過去1年間の平均74%、過去5年間の平均65%の両方を上回っています。


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Fact Setより引用

セクター別では、ヘルスケア(97%)通信サービス(96%)情報技術(95%)が、予想を上回ったとする企業の割合が高くなりました。

S&P500の平均87%を下回ったセクターは、エネルギー(86%)金融(84%)一般消費財(84%)公益(68%)素材(67%)でした。

一番低い素材でも、67%の企業が予想を上回る決算を発表しています。



【補足】

現在まで決算を発表したS&P500企業は全体で予想を+4.9%上回る収益を発表しています。

こちらも、過去1年間の平均値+2.8%および過去5年間の平均値+1.2%も上回っています。

過去最高は2021年第1四半期の+3.8%でした。

セクター別では、エネルギー(+11.8%)通信サービス(+5.6%)消費財(+5.3%)情報技術(+5.3%)などが予想収益と実際の収益の差が大きいセクターとなりました。

エネルギー   11.8%
通信サービス    5.6%
消費財       5.3%
情報技術      5.3%
S&P500       4.9%
公益        4.6%
一般消費財     4.3%
不動産       4.2%
ヘルスケア     3.7%
素材        3.5%
資本財       2.3%


サプライズが大きかったのはエネルギーセクターでした。

S&P500指数は各セクターの好不調に関わらず、

(低コスト&手間なしで)だいたい良い位置に居続けることができる点が個人的には好きです。



【ポイント】

S&P500企業はアナリスト等が第2四半期中に「更に引き上げた予想」を上回る決算を残しています。

3月31日時点で、S&P500企業の2021年第2四半期の予想売上高成長率は16.6%でした。

ですが、その後アナリスト等は予想を引き上げ、6月30日時点で第2四半期の予想売上高成長率は19.4%に上昇しました。

しかし、S&P500企業が発表したポジティブ・サプライズの数と規模が非常に大きかったため、

第2四半期の売上高成長率は現在24.9%となっています。

経済封鎖からの急回復の影響(反動)もありますが、米国企業のこのような力強い決算がやや割高感も漂う株価を下支えしています。


【個人的な見解】

デルタ株やインフレの懸念もありますが、

ワクチンの普及や改善、FRB等といった対抗手段も人類は有しているわけですから、長期的にはこれらの問題は解決可能だと私は思っています。

そして、例えば3年後、5年後、10年後には、これらとは全く別のその時々問題や懸念が、いつもどおり市場を騒がしているとも思います。

長期投資家であれば、あまり近視眼的にならないことが重要です。


今後、コロナからのV字回復や緩和政策が終了し、正常な経済、政策にシフトしていく過程で、

「急成長から緩やかな成長に」「追い風から向かい風の中での成長へ」と、米国株式市場はシフトしていくかもしれません。

でも、ある意味でそれは普通の事であり、いつまでもドーピングを続けながら走り続けるよりは遥かに健全だと思います。

「インフレ上昇」+「金利正常化(上昇)」という将来予想される環境は、「低インフレ」+「低金利」の環境を味方につけていた一部のグロース株にとっては厳しい逆風になるかもしれません。


S&P500は年初来で既に年初来リターン18.95%、1年トータルリターン34.47%となっており、

これは明らかに過去の平均リターンを上回る数字です。

私はこの数字が永遠に続くとは思っていません。

今後はS&P500やナスダック等、米国株がもっと低いリターンになっても全然おかしくないと思っています。


また、現在のこの高いリターンでも満足できずに、より高いリスクとることを選好している方もいると思います。

そういう方であっても、「いつ」「どのように」「どのくらい」かまではわかりませんが、市場環境は時と共に変化していくということを忘れないよう注意つつ、

投資を続けていくことが大切だと思います。


いつもありがとうございます。

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