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【悲劇】

1986年1月28日、午前11時38分

スペースシャトル・チャレンジャー号は、

ケネディ宇宙センターから飛び立ちました。


打ち上げから73秒後、

チャレンジャー号は爆発しました。

より詳しい詳細や

事故を知らない方はこちらの動画をご覧下さい。




【簡単な時系列】

事故の瞬間、誰もが呆然としました。

最初の記者会見は当日の午後開かれました。

NASAは事故の原因についての推測は差し控え、

「徹底的な調査が行われるのを待つ」としました。


そこから数週間の間

NASAが提供するビデオ映像を集めたものだけが公式の情報でした。

今と違って、ネットもスマホもありません。

ただ、マスコミは今とあまり変わらず、

ほんの数秒の映像を基に、あれやこれやと解析たり、分析したり、いろいろな推測や説や噂を流しました。


事故から6日後、レーガン大統領は大統領令を発令。

原因究明のため、ロジャーズ委員会を立ち上げました。

事故から5カ月後の1986年6月6日、

ロジャーズ委員会はシャトル右側の固体燃料補助ロケットのOリングの破損が原因と結論づけました。



【投資家の視点で読み解く】

さて、このニュースを投資家視点で見ていきましょう。

NASAがスペースシャトル計画で使っていたのは4社。

〇ロッキード・マーチン。
〇マリエッタ
〇モートン・サイオコール
〇ロックウェル

結論としては、

事故から5カ月後のロジャース委員会の報告によって、

補助ロケット建造と操縦を請け負っていたモートン・サイオコールに責任があり、

他3社は悪くないとわかりました。

モートン・サイオコールは、その後、損害賠償や示談に苦しむことになります。


【投資家クイズ】

では、ここでクイズです。

株式市場(株価)がこのニュースを反映したのはどのタイミングだったでしょうか?


報告書が発表された日でしょうか?

その1日後でしょうか?

大統領令が発令された日でしょうか?

それとも、その前のマスコミが騒ぎ立てている数週間の間でしょうか?


当時のメディア・情報環境も良く考慮して考えてみてください。

ちなみに、インサイダー取引等が行われた形成は全くありません。




【正解は・・・】

事故発生から数分以内でした。

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事故の13分後には、

NY証券取引所のシステムが処理しきれなくなり、

モートン・サイオコールの株は取引停止となりました。

午後取引が再開するとさらに下落し、

1日で約12%程下落しました。

モートン・サイオコールのこの日の出来高は、直近三カ月の平均の17倍となりました。


おもしろいのは、他の3社の株価です。

他の3社の株価も下がったものの最終的には回復。

下げ幅も(3社とも前日比2%以内)

出来高もモートン・サイオコールに比べてずっと少なく、

統計的には通常の日でも、普通ににあり得る範囲でした。


なんと米国株式市場は、

事故からたった数分の間に、

超一流のメンバーの集まったロジャーズ委員会が、

5カ月かけて出した結論にたどり着いてしまったわけです。

この事例は、

「市場効率的仮説」や「集合知」を論じる際などにたまに用いられます。



【まとめ】

チャレンジャー号事故の際の株式市場の価格形成について

なぜ、こういう事が起きたのか。

たまたまなのか、必然なのか。

諸説ありますが、明確な理由はわかっていません。

(元々割高だったとかNASAからの収益のウェイトが大きかったといった意見もあります)


ただ、私達にわかるのは、

「米国株式市場が、事故後数分で正しい答えを見つけた」

という事実だけです。


私はついてゆけるだろうか、ネット時代の市場のスピードに。

私には無理そうなので、

今まで通りVOOに投資を続けたいと思います。


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