【バリューとグロースの今後】

今年に入ってから、

米バリュー株のリターンは、グロース株を上回っています。

年初来リターンは5月6日時点で、

ラッセル1000の年初来リターンは11.20%でしたが、

ラッセル1000バリューETF(VONV)は年初来リターン17.91%

ラッセル1000グロースETF(VONG)は年初来リターン5.58%でした。


【米バリュー株には明るい未来が待っている?】

米バンガードの最新のレポートによると、

米バリュー株は、グロース株を、

今後5年間は年率平均で9~13%、

今後10年間は年率平均5~7%上回ると予想されています。

また、今後10年間において、

米国株式全体の年率平均リターンの予想は3~5%に対して、

バリュー株にPF全体を振り向けた場合のリターンは4.3%~7.3%になると予想されています。

(市場に対し、バリュー株が1.3%~2.3%のアウトパフォーマンス)



On an average annualized basis,our forecast suggests value should outperform growth by between 9% and 13% over the next five years and 5% to 7% over the next ten years.

Investors who allocate their entire equity portfolio to value can expect average annualized returns of 4.3% to 7.3% over the next decade, versus 3% to 5% for the broad U.S. equity market.

https://personal.vanguard.com/pdf/ISGVVG_042021_A4_ONLINE.pdf




【懐疑的な方の気持ちも理解できますが】

若い投資家の方や最近投資を始めた方は、このような予測に懐疑的かもしれません。

2008年のリーマンショック以降、

テクノロジー関連企業などのグロース株は、

金融、公益、エネルギー、素材などのバリュー株を大きく上回っています。

ですが、個人的にはこの予想は、突拍子もない奇をてらったものではなく、

ある意味では当たり前の保守的な予想だと思っています。


【長期に渡って存在していたバリュープレミアム】

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Fama-French の手法を用いて構築されたバリュー対グロースのポートフォリオの、1936年6月から2021年1月までの10年間の年率トータルリターンの月次観測値

1927年から2015年までの米国株のバリュープレミアムは年率4.8%

この間、バリューファクターが市場をアウトパフォーマンスする確率は、

1年  63% 
3年  72%
5年  78%
10年   86%
20年   94%

となっていました。

※但しバリューファクターは、最長で60か月以上(5年以上)市場をアンダーパフォーマンスしたこともあります。

故に、今後バリュー株はもちろん、

高配当戦略やSPYDのような「バリューファクターに関連する戦略」が、

今後市場をアウトパフォーマンスする「可能性」は全然あると思います。

参考「SPYDのファクター分析」
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ただ、もし私がアクティブな考え方のもと、

バリューファクターにウェイトを置くとしたら、

特に配当を求めているわけではないので、

税効率やコストを考えて普通にVTVのようなバリューETF。

もしくは多少変化球的なアプローチでVIGを用いると思います。




【理由① グロース株はやや割高】

ではなぜ、バリュー株が今後グロース株や市場を上回るのか。

いくつか理由が挙げられていましたが、

わかりやすい所では、直近(21年2月時点)で、

バリュー株はフェアバリューの下限ギリギリで割安なのに対し、

グロース株はフェアバリューの上限ぎりぎりで割高な事があげられます。

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グロース株に有利な経済的な環境や企業の成長などに伴い、

グロース株の公正価格は上昇し、バリュー株の公正価格は低下してきましたが、

市場はやや過剰反応しているようにも思われます。

フェアバリューからの偏差は通常、時間と伴に公正価格に戻ります。



【理由②】

先程の「フェアバリューへの回帰」に加えて、

今後「フェアバリューそのものが変化」する可能性があります。

過去10年、グロース株は米国のバリュー株を年平均7.8%上回ってきました。

最近では「バリュープレミアムは消滅した」とか、

「バリューの定義が変わった」というような主張をしている方もいますが、

バンガードは、このアウトパフォーマンスの80%程度は、

過去インフレ、実質金利、企業の利益成長率、ボラティリティなどを考慮したモデルで説明可能だと言います。

特に、1979年以降の40年間にも渡るインフレ率の長期的な低下は、

バリュー/グロースのフェアバリューの低下の大部分を説明しています。

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バンガードは、今後コロナからの回復の中で、

インフレが2%を目標に正常化し始め、実質金利が上昇し、企業の利益成長が上昇していくにつれて、

今後5年~10年はフェアバリューが徐々に上昇していくと予想しています。

ただ、インフレ・金利、利益成長は過去の水準よりは下回ったままという見通しに基づくと、こんな感じの予測になります。

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ITバブル時や直近の緑のラインを見るとわかるように、

過去、フェアバリューレンジが下がっていく時はグロース株が強いですが、

上昇する時にはバリュー株の方が強かったことがわかります。

ITバブルがはじけた後、次の5年間米バリュー株は年率で16%程グロース株を上回りました。


※ただし、回復が停滞(もしくは逆転し)インフレも企業収益も加速しなかった場合、

引き続きグロース株がアウトパフォーマンスする可能性もあるとのことです。



【まとめ】

「フェアバリューへの回帰」と「フェアバリューの変化」によって、

米バリュー株は今後5~10年間において、米国株式市場やグロース株を上回る可能性が高い。

というのがバンガードの予測です。

十分なリスク許容度、期間、および忍耐力を備えた投資家にとって、

米バリュー株へのオーバーウェイトは、

今後10年間に予想される米国市場および他の資産価格のリターンの低下を相殺するのに役立つ可能性があります。

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ただ、他にも考慮すべきリスクや、省略した説明がたくさんありましたので、

興味のある方は是非原文をご覧下さい。

記事内のグラフの引用元もこちらです。

https://personal.vanguard.com/pdf/ISGVVG_042021_A4_ONLINE.pdf

このレポートが将来を保証するものではありません。

未来はどうなるかわかりません。


【ジョセフ・H・デイビス氏の見解】


バンガード社のグローバルチーフエコノミスト  

ジョセフ・H・デイビス氏は3月に

「市場の評価に確信があり、忍耐強い時間軸を持ち、高いボラティリティの中でも規律を保持できる投資家は、

リスク許容度に見合ったバリュー株へのオーバーウェイト配分を行う事で、リターン(α)を得ることができるかもしれない」と発言していましたし、

つい先日もモーニングスターのインタビューで、

過去記事「バリュー株がグロース株を上回る」との見解を示していました。


うーん。なるほど。

とても興味深いレポートでしたね。

私も今回は流石に熟慮に熟慮を重ね、

頭を720度回転させて考えました。

悩みに悩んだ、その結果・・・・

私はやっぱりVOOに投資を続けていきたいと思います。


いつもありがとうございます。

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