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『ユーロ圏のリスク』


長期的にはユーロ圏のリスクは大きく2つあると私は考えています。

元々、欧州連合は発足当時から不完全な組織で、

年々、法律や制度などを整え、今日まで成長してきた経緯があります。

ですが、さらなる統合とより良い危機管理ツールがなければ、

ユーロの部分的または完全な崩壊が起こる可能性もあると私は思います。


米国株式市場よりも割安に見える欧州株式市場。

魅力的な企業もいくつかありますし、

米国企業の海外売上の多くは欧州から得られるものだったりします。

ですので、例え米国株オンリーの投資家も欧州を『完全に』無視していいと、私は思いません。



『加速する新時代』

いきなり崩壊といっても、全く現実感がわかない方も多いかと思います。

しかし、過去を振り返ってみると、

私が子供の事は、ソ連があり、東西ドイツもありました。

それが普通の事でしたし、当たり前に続くと思っていました。

また、欧州中央銀行やユーロ(通貨)はありませんでした。

最近でも2020年1月、英国はEUを離脱した最初の加盟国となりました。

「Grateful Days」から20年。

今の状態が未来永劫続くとは限りません。


もう少し身近な例をあげますと、

30年前、街中に公衆電話や電話BOXがありました。

15年前には、スマホやTwitterはありませんでした。

15年、30年という時間の中で、

世界はその当時、全然想像のできない方向に進んでいきました。

ゲームボーイカラーの「青色」の綺麗さに感動したのは私だけではないはずです。

しかし、現在のスマホの画面はそれより遥かに美しい映像を私達に届けてくれるようになりました。

近年、技術の進歩や知識の蓄積の速度は年々加速しています。

ワクチン開発の速度はその好例かと思います。

次の20年、30年は、

これまでの20年、30年以上の変化が起きると考えるのが、ある意味で当然ではないでしょうか。




『差し迫った話ではありませんが』

The risk of an immediate “euro crisis” is low. Indeed, we place a 95% probability on the survival of the euro area over the next five years. We think a partial breakup is possible but also unlikely in the short term (0%–5%).


もちろん、今すぐ欧州がどうこうなるという話ではありません。

バンガードも差し迫った「ユーロ危機」のリスクは低いとしています。

今後5年間のユーロ圏の存続の確率を95%とし、

部分的な分割の可能性はあると考えていますが、短期的には起こりそうにないとしています。


 We are less sanguine about the outlook for 30 years and beyond.

The chances of the euro’s survival with the full complement of existing members dwindle to around 60%– 70%, with a meaningful 20%–30% chance of a partial breakup and a still meaningful 10%–15% chance of a full breakup.

しかし、30年以上の見通しについては、あまり楽観的ではありません

既存のメンバーを完全に補完するユーロ存続の可能性は60~70%と予想しています。

バンガードの見解や予想はこんな感じです。

あくまで可能性ですが。
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ちなみに、各シナリオが

世界のGDPと株式のリターンに与える影響の予想はこんな感じとなっています。

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部分的な崩壊でさえも、

グローバル株式への影響はなかなかえぐいものを感じます(笑)。

もし、完全に崩壊した時は、

コロナショックなんてかわいく見えるくらいの影響があるかもしれません。



『まとめ』

コロナショックの影響で忘れられていましたが、

米中問題や欧州など、

外交、地政学的な問題が完全に解決したわけではありません。

今は金利や債券価格に夢中となっている移り気な投資家が、

いつそっちに目を向けるかはわかりません。

また、急に突発的なニュースが火を噴く可能性もあります。


地政学リスクは常に全世界に存在します。

それを回避する事は不可能ですし、

問題の発生と解決のタイミングを計ったり、事前に予想する事も困難だと私は考えています。


私が言えることは、

ユーロ崩壊のリスクはゼロよりも大きいということだけです。

そして、

ユーロに関する懸念は、すでに株価に反映されている可能性が高いため、

私は、根本的に新しい投資戦略を提唱しようとは思いません。


ただ、「そういうことが起こる可能性はある」

ということは忘れないで欲しいと思います。

そうすれば、もし、何か起きたとしても、

慌てて冷静さを欠いたり、右往左往する必要はありませんから。


個人的には、基本的どおり、規律を保ち、

自分のとれるリスクの範囲内で、グローバルな分散を維持していこうと思います。


いつもありがとうございます