
その①はこちらから。
産業革命以降の情勢を簡単に振り返りました。
http://etfsp500.com/archives/25323616.html
今回はその続きとなります。
ポイント
現在の世界の不平等(富裕国と貧困国)が生まれたのは、18世紀以降で、産業革命以降の事でした。
それ以降は、前回紹介したように、
裕福な国と貧しい国の間に境界線が生まれ、同じグループにはだいたい同じ顔ぶれが並ぶようになりました。
もちろん、それ以前にも不平等は存在していましたが、各国のギャップは今よりも小さいものでした。
急成長する国。成長が止まる国。成長が出来ない国。
数十年で急速に成長した経験を持つ国は歴史上たくさんあります。
戦後の東アジア諸国や最近の中国が良い例だと思います。
東アジア諸国のように、凄まじいスピードで成長する国がある一方で、
石油の出ない中東諸国やサハラ以南のアフリカ諸国など、
なかなか西欧のように経済成長出来ない国もあります。
また、ソ連やアルゼンチン(1920~50年までは世界有数の富裕国でした)などのように、成長が止まり、衰退・凋落していく国もあります。
この差はどこからうまれるのでしょう?
まず、いくつかの説を紹介していこうと思います。
①地理説
世界の国々の富の違いについて、
一般的に広く知られている理論の一つに「地理説」があります。
その名の通り、地理的な違いによって貧富の差が生まれるという主張です。
アフリカ、中米、南アジアなど貧しい国の多くは、北回帰線~南回帰線の間にあり、豊かな国は温帯地方に多くあります。
現在の貧困と繁栄の地理的な集中がこの説に魅力を与え、一部の社会学者や評論家にも信じられています。
地理説の歴史は意外に古く、
18世紀には既に、フランスのモンテスキューが、繁栄と貧困の地理的集中を指摘しています。
例えば、熱帯気候に住む人々は怠惰で熱心に働かない。これが貧しい理由だ。
怠惰な人々は暴君に支配されやすい。熱帯という場所によって独裁制であることも説明できる。とも述べています。
・・・・・結構ひどいですよね(笑)
進化する地理説
地理説は、マラリアなどの健康的な影響や、
土壌(熱帯の土壌では生産性の高い農業はできない)
など、現代版に更に進化し、
経済学者のジェフェリ・サックス氏を始め、一部の人に根強く支持されています。
米国の地理的な優位性
私自身も以前、米国の地理的な長所を紹介しました。
米国の長所と短所を知ろう①『地理』
例えば、米国は世界最大かつ最も生産性が高い、農業地帯を有しています。
つまり農業に適した土壌を持っているわけです。
熱帯や乾燥帯では、基本的に土壌も悪く農業生産性は低くなります。
これは、ジャレド・ダイアモンド氏の見解を参考にしました。
が・・・
私は「人口」に続きこの件を謝罪しなければならないかもしれません。
「だが、この通説には疑問が残る」
気候や病気、もしくは何らかの形の「地理説」によって、
世界の国の繁栄と貧困、経済成長を説明することはできない。
地理や気候は繁栄と貧困の境界になり得ない。
というのが今の私の考えです。
その➂では「地理説」に対しての反論と考察をしていきたいと思います。
いつも本当にありがとうございます。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。