アメリカ大統領選挙に向けて。
米国大統領選挙がある年は、
1年以上に渡り、大統領選に関するニュースが続きます。
また、大統領選挙が
「投資家や株価にどのような影響をもたらすのか」
「ポートフォリオをどう変えればよいか」
というような内容の記事や情報もどんどん多くなっていきます。
多くのメディアやブログ記事、運用会社等は、
どの候補者、政党が勝利するかに基づいて市場予測を提供しています。
ただ、個人的には、
このような予測や情報が、投資家のリターンに本当に良い影響を与えるかどうかについて、疑問が残ります。
この記事で学べる事。
では、11月3日の米国大統領選挙にむけて、
長期的にS&P500や米国株式市場に投資をする投資家、
もしくは全世界株式などに投資をする方などは、
米国大統領選挙に向けてどのように対応場すれば良いのでしょうか?
「結論」
ほとんどの短期的な予測と同様に、大統領選挙の予測も疑わしいものです。
長期投資は、自分の目標や長期的な戦略を見失うことがないようにすることが重要です。
理由①長期的なリターンはどっちが勝っても変わらない。
過去150年間、共和党と民主党それぞれの大統領の元で、
米国市場のリターンはどうなったか比較してみましょう。

米・バンガードのHPより引用
上の図は米国株式60%・米国債券40%のポートフォリオのリターンを示したものです。
途中で政権が変わった年は、一年の大半を占めていた方の政党のものとして計算しています。
バンガードのAdam Schickling氏の調査によれば、
年率平均リターンは、
共和党8.2%。民主党8.4%とほとんど変わらないことがわかりました。
「参考」米国株式市場のリターン
民主党 11%
共和党 11%
グローバルフィナンシャルデータ(1853年~1926年)モーニングスター、イボットソン(1927年~2015年)
理由②大統領選挙の年はリターンが高くなる(とは限らない)
Adam Schickling氏の調査でもう一点重要なポイントがあります。
過去の大統領選挙があった年のリターンを調べると以下のような結果となりました。
同氏は「この結果は統計的に重要ではなく、ランダム性やノイズが原因である可能性があります」と結論づけています。
この結果は、大統領選挙だけではなく、様々な要素、変数が影響しています。
政治は多くの変数の1つにすぎず、単独ではほとんど何も洞察することはできません。
「参考」大統領選挙前後はボラティリティが低くなる(?)
1964年1月1日~2019年12月31日までの
S&P500のボラティリティは15.7でした。(ドルベース)
この期間の大統領選挙前後のS&P500ボラティリティは
選挙前 13.8%
選挙後 13.8%
と低くなることがわかりました。
もちろん、この結果も統計的にあまり有意義なものではありません。
ただ、選挙の前後で株式市場のボラティリティが、必ずしも高くなるは限らないということはわかります。
出典: Thomson Reutersのデータに基づきバンガードが計算したもの
理由③大統領選挙の年の月次リターンはランダム

一目でわかる通り、大統領選挙の年の月次リターンのパターンは検出できません。
選挙期間中の毎月のリターンはほぼランダムといって間違いないでしょう。
選挙の年のほとんどの戦術的な投資戦略は、
先読みバイアスに悩ませられることになります。
例えば、1972年~1980年の実績に基づいて、
「11月はリターンが高くなる」という戦略が、
1984年以降広まった可能性がありますが、
1984年~1996年には、その戦略は全く機能しませんでした。
また、戦略や予測の中には、その当時は利用できなかった情報(後付け)や結果論を元に、
仮想のパフォーマンスを示しているものも見受けられますので注意が必要です。
まとめ
もちろん、大統領選挙を利用して短期的な利益を上げようとする戦略もあると思います。
それはそれでいいと思います。
ただ、S&P500などに長期投資をする方は、
①どちらの政党が勝っても、長期的なリターンはほとんど変わらない。
②米国大統領選挙は数ある変数の一つにすぎない。
③短期的にはほぼランダム(予想ができない)
ということを思い出し、
目新しいニュースにとらわれることなく、
投資を続けることが大切です。
長期投資家の方は大統領選挙だからといって、
長期的な視点や資産配分を変えることなく、
規律ある投資を続けていくことが大切だと私は思います。
※いつも本当にありがとうございます。
米国大統領選挙がある年は、
1年以上に渡り、大統領選に関するニュースが続きます。
また、大統領選挙が
「投資家や株価にどのような影響をもたらすのか」
「ポートフォリオをどう変えればよいか」
というような内容の記事や情報もどんどん多くなっていきます。
多くのメディアやブログ記事、運用会社等は、
どの候補者、政党が勝利するかに基づいて市場予測を提供しています。
ただ、個人的には、
このような予測や情報が、投資家のリターンに本当に良い影響を与えるかどうかについて、疑問が残ります。
この記事で学べる事。
では、11月3日の米国大統領選挙にむけて、
長期的にS&P500や米国株式市場に投資をする投資家、
もしくは全世界株式などに投資をする方などは、
米国大統領選挙に向けてどのように対応場すれば良いのでしょうか?
「結論」
ほとんどの短期的な予測と同様に、大統領選挙の予測も疑わしいものです。
長期投資は、自分の目標や長期的な戦略を見失うことがないようにすることが重要です。
理由①長期的なリターンはどっちが勝っても変わらない。
過去150年間、共和党と民主党それぞれの大統領の元で、
米国市場のリターンはどうなったか比較してみましょう。

米・バンガードのHPより引用
上の図は米国株式60%・米国債券40%のポートフォリオのリターンを示したものです。
途中で政権が変わった年は、一年の大半を占めていた方の政党のものとして計算しています。
バンガードのAdam Schickling氏の調査によれば、
年率平均リターンは、
共和党8.2%。民主党8.4%とほとんど変わらないことがわかりました。
「参考」米国株式市場のリターン
1853年~2015年の米国株式市場の年平均のリターン(名目)
民主党 11%
共和党 11%
グローバルフィナンシャルデータ(1853年~1926年)モーニングスター、イボットソン(1927年~2015年)
理由②大統領選挙の年はリターンが高くなる(とは限らない)
Adam Schickling氏の調査でもう一点重要なポイントがあります。
過去の大統領選挙があった年のリターンを調べると以下のような結果となりました。
大統領選挙があった年のリターン(40年) 8.9%
ない年のリターン (119年) 8.0%
ない年のリターン (119年) 8.0%
同氏は「この結果は統計的に重要ではなく、ランダム性やノイズが原因である可能性があります」と結論づけています。
この結果は、大統領選挙だけではなく、様々な要素、変数が影響しています。
政治は多くの変数の1つにすぎず、単独ではほとんど何も洞察することはできません。
「参考」大統領選挙前後はボラティリティが低くなる(?)
1964年1月1日~2019年12月31日までの
S&P500のボラティリティは15.7でした。(ドルベース)
この期間の大統領選挙前後のS&P500ボラティリティは
選挙前 13.8%
選挙後 13.8%
と低くなることがわかりました。
もちろん、この結果も統計的にあまり有意義なものではありません。
ただ、選挙の前後で株式市場のボラティリティが、必ずしも高くなるは限らないということはわかります。
出典: Thomson Reutersのデータに基づきバンガードが計算したもの
理由③大統領選挙の年の月次リターンはランダム

一目でわかる通り、大統領選挙の年の月次リターンのパターンは検出できません。
選挙期間中の毎月のリターンはほぼランダムといって間違いないでしょう。
選挙の年のほとんどの戦術的な投資戦略は、
先読みバイアスに悩ませられることになります。
例えば、1972年~1980年の実績に基づいて、
「11月はリターンが高くなる」という戦略が、
1984年以降広まった可能性がありますが、
1984年~1996年には、その戦略は全く機能しませんでした。
また、戦略や予測の中には、その当時は利用できなかった情報(後付け)や結果論を元に、
仮想のパフォーマンスを示しているものも見受けられますので注意が必要です。
まとめ
もちろん、大統領選挙を利用して短期的な利益を上げようとする戦略もあると思います。
それはそれでいいと思います。
ただ、S&P500などに長期投資をする方は、
①どちらの政党が勝っても、長期的なリターンはほとんど変わらない。
②米国大統領選挙は数ある変数の一つにすぎない。
③短期的にはほぼランダム(予想ができない)
ということを思い出し、
目新しいニュースにとらわれることなく、
投資を続けることが大切です。
大統領選挙を含む、短期的な出来事やニュースは、S&P500投資を成功させる上でさほど重要ではありません。
長期投資家の方は大統領選挙だからといって、
長期的な視点や資産配分を変えることなく、
規律ある投資を続けていくことが大切だと私は思います。
※いつも本当にありがとうございます。
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