
photo/gettyimages
バークシャー・ドミニオンの事業を買収
5日、世界一の投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは、
ドミニオン・エナジーの中流エネルギー事業(天然ガス輸送・貯蔵)を約97億ドルで買収することに合意したと発表しました。
これの報道を受け、6日、バークシャー株は2%以上上昇しましたが、ドミニオンは11%下落しました。
バークシャー・ハサウェイの株価

ドミニオン・エナジーの株価

ドミニオン・エナジーの動き
ドミニオン・エナジーは電力事業に軸足を移そうとしています。
ドミニオン・エナジーは電力事業に軸足を移そうとしています。
同6日、ドミニオンは6年越しのアトランティック・コースト・パイプライン・プロジェクトの中止を発表しました。
理由は「規制面での不確実性が高すぎる」としています。
連邦裁判所は、環境レビューが終わるまでダコタ・アクセス・パイプラインの閉鎖を命じています。
理由は「規制面での不確実性が高すぎる」としています。
連邦裁判所は、環境レビューが終わるまでダコタ・アクセス・パイプラインの閉鎖を命じています。
バフェットの得意分野
そもそも、この買収はバフェットの得意分野、よく知る事業への投資です。バフェットは天然ガスや規制問題に明るい何かが見えているかもしれません。
例えば、新しいパイプライン敷設に規制が増えれば、既存のラインを保有している側にとっては好都合とも言えます。
また、パイプラインの敷設ペースは石油・ガス生産の増加に対して大きく後れています。
経済活動再開後、パイプラインには今後多くの仕事が待っている可能性があります。
例えば、新しいパイプライン敷設に規制が増えれば、既存のラインを保有している側にとっては好都合とも言えます。
また、パイプラインの敷設ペースは石油・ガス生産の増加に対して大きく後れています。
経済活動再開後、パイプラインには今後多くの仕事が待っている可能性があります。
天然ガスの特徴
天然ガスには太陽光や風力のような将来の成長余地はありません。
しかし、他の化石燃料に比べれば温室効果ガス排出量は少ないので、規制や環境問題に対して相対的に明るいと思われます。
しかし、他の化石燃料に比べれば温室効果ガス排出量は少ないので、規制や環境問題に対して相対的に明るいと思われます。
例えば、既存の自動車から電気自動車(EV)への移行が、原油にもたらすような需要の落ち込みに直面する可能性は低いといえます。
また、米最大のパイプライン運営会社ウィリアムズ・カンパニーズは、2040年までの天然ガス需要は、原油の3倍のスピードで伸びるとみています。
今年は需要低下が見込まれています。
バフェットは割安な価格で購入か?
ロイターはバフェット(バークシャーエナジー)が割安な価格で買収したと報道しています。また、米最大のパイプライン運営会社ウィリアムズ・カンパニーズは、2040年までの天然ガス需要は、原油の3倍のスピードで伸びるとみています。
今年は需要低下が見込まれています。
ただ、直近の天然ガス価格は下げ圧力に苦しんでいます。
6月末には、天然ガス先物価格は約25年ぶりの安値となりました。
6月末には、天然ガス先物価格は約25年ぶりの安値となりました。
米エネルギー省情報局によると、鉱工業セクターの活動が9%縮小することにより、今年の米国の天然ガス消費も3.6%減少する見通しです。
バフェット氏によるドミニオンの資産買収は、値ごろ感があるように見える。
債務込みで97億ドルという評価額は、バークシャー・ハザウェイ・エナジーがEBITDA(利払い・税・償却前利益)のおよそ10倍の金額を支払うことを意味する。
これはウィリアムズに対する現在の評価額より15%前後低く、
ブルックフィールド・スーパーコア・インフラストラクチャー・パートナーズが最近まとめたパイプライン事業買収案件の評価額に対しても2割ほど下回っている。
https://jp.reuters.com/article/breakingviews-gas-buffet-idJPKBN2480E9
天然ガス価格がこれ以上下がらないと仮定すれば、
バフェット氏はこの案件を通じて相当なリターンを稼ぎ出せるはずだとしています。
2009年BNSFの買収を振り返る
バフェットが暴落直後に、あまり冴えなかったセクターへ投資した過去の事例を振り返ると、
2009年のBNSF鉄道買収があげられます。
2009年のBNSF鉄道買収の12カ月前、競合鉄道会社(ユニオン・パシフィック、CSXトランスポーテーション、ノーフォーク・サザン・レイルウェイ)の平均トータルリターンはー10%でした。
しかし、翌12カ月でこれらの鉄道会社は約50%のプラスリターンをあげています。
バフェットが暴落直後に、あまり冴えなかったセクターへ投資した過去の事例を振り返ると、
2009年のBNSF鉄道買収があげられます。
2009年のBNSF鉄道買収の12カ月前、競合鉄道会社(ユニオン・パシフィック、CSXトランスポーテーション、ノーフォーク・サザン・レイルウェイ)の平均トータルリターンはー10%でした。
しかし、翌12カ月でこれらの鉄道会社は約50%のプラスリターンをあげています。
今回はどうなるかわかりませんが、
個人的には今後の結果がどうなるかを楽しみにしています。
バフェット・株主総会にて
バフェットは今年の株主総会で、
1929年の大恐慌を例に出し、
投資家に注意を促していました。
1929年の大恐慌を例に出し、
投資家に注意を促していました。
「1929年10月にいったん大暴落した株価は、その後、9カ月半で20%以上回復した」
「人々は1930年秋の時点で大不況が起きているとは考えていなかった。」
(しかし、その後、株価は80%も下落しました。)
(しかし、その後、株価は80%も下落しました。)
「株式を買って保有するなら50%以上、下落することを覚悟した方がいい」
「過去2カ月の間に世界を混乱させ、習慣を変え、ビジネスを危険にさらしたウイルスが、今後6カ月、1年で何をするかについて確信を持てない。」
としています。
個人投資投資家は注意を怠るべきではないでしょう。
また、同様の理由で航空会社の株を手放したバフェットです。
今、バフェットの目には何見えているのか、
天然ガスの未来は明るいのか。
今後を楽しみにしたいと思います。
※いつも、本当にありがとうございます。
みなさんの応援がなければ、ここにいない私です。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。