
QQQのファクター分析
下の図はQQQをMSCI FaCSの6つの主要なFactor Boxで分析した図です。

「バリュー」「サイズ」「配当」がアンダーウェイト
「モメンタム」「クオリティー」がオーバーウェイトとなっています。
QQQをファクター分析してみると、
特に「モメンタム」と「クオリティー」ファクターに加重していることがわかります。
近年はバリュー株が振るわず、この両ファクターが好調だったため、QQQは良い成績を残してました。
VUG バンガードグロースETFのファクター分析

VUGをファクター分析してみると、
一目で、QQQととても似ていることがわかります。
米国大型グロース株に投資をしたい場合は、上記2つのようなETFを使うと、簡単に、低コストで、分散投資ができるので、私も良いアイディアだと思うのですが、
それらを2つも3つも重ねると、また違ったリスクを背負う事になります。
特定のファクターに加重し過ぎるリスク
個別銘柄やセクターは、それぞれ「多少」は異なるため、それで分散できるリスクもあります。(銘柄選択リスクなど)
しかし、これらの大型グロース株を中心とするETFはだいたい「モメンタム」「クオリティー」ファクターに加重している傾向があるため、
それを重ねれば、重ねるほど当然この2つのファクターの成績の影響を受けやすいPFとなります。
全ての状況下で万能なファクターは存在しません。

バンガードのpdfより引用
バンガードの研究によれば、主要なファクターはそれぞれ60か月(5年)以上、市場平均を下回った時期を経験しています。
「モメンタム」や「クオリティー」ファクターも例外ではありません。
両ファクターとも市場平均を20%以上、下回り続ける時期を経験しています。
「メリット」と「デメリット」を意識する
例えば、「QQQ+VUG」を重ねる事で、特定の状況下では更に強くなります。
と同時に、モメンタムやクオリティーファクターが不調に陥った時にはものすごく脆いPFもなります。
全ての状況下で万能な「ファクター」や「アクティブ戦略」は存在しません。
上手く行く時と行かない時があります。
決して、誤解しないでほしいのは、
私はこれらのETFやグロース株、アクティブな戦略そのものを否定しているわけではありません。
今回は例として「QQQとVGU」を出しましたが、
例えば「バリューETF」を重ねた場合も結論はほとんど変わらないでしょう。
私が今回言いたかったのは「リターン」だけではなく「リスク」も考えたうえで投資判断をすることが大切だという事です。
投資をする時には「メリット」と「デメリット」、要は「弱点」や「上手くいかない可能性」についても、良く考えて投資をすることが大切だと思います。
まとめ
直近の成績や未来の素敵な物語にばかり耳を傾け、
リスクや都合の悪いデータを無視するのはあまり賢明な投資とはいえません。
勝ち組ファクターの入れ替わるタイミングがわかればよいのですが、それもまたなかなか難しい話。
初心者方は、バランスのとれたポートフォーリオを見失わない事が大切だと思います。
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。