湾岸戦争とS&P500

米国とイランの緊張が高まりつつあります。

そこで、今回は中東の地政学的リスクについて学ぶため、

1990年の湾岸戦争を

S&P500チャートとともに振り返ってみたいと思います。

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〇1990年8月2日 イラクによるクウェート侵攻 (黒丸)

(8月18日~「人間の盾」クウェートから脱出できなかった外国人を強制連行・人質に)

〇1991年1月17日 イラクを空爆。戦争開始「砂漠の嵐作戦」 CNNは空襲の様子を生中継

〇1991年1月27日 「絶対航空優勢」を発表 戦争が多国籍軍側に有利 (赤マル)

〇1991年2月23日 陸上部隊による進攻開始「砂漠の剣」作戦 (緑マル)


多国籍軍はその後圧倒的勝利をおさめ、クウェートを解放しました。

陸上戦開始から100時間後の2月28日、多国籍軍は戦闘行動を停止し、停戦を宣言しました。




戦争以外の影響も大きい。

1980年代後半から1990年代初めにかけ、米国では

株価の急落に加え、S&L危機や不動産バブルの崩壊などで、信用環境が悪化し、

これが1990年8月~1991年3月までの景気後退に影響したという見方もあります。


興味深い事に、JPモルガンはこの時のみ、

米国の景気後退の原因を「未だ特定できない」としています。

中東の情勢や戦闘が全てではなく、数ある要因の一つだったかもしれません。

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JPモルガンのレポート参照


その他の数字

〇米国はこの戦争に611億ドルを費やしました。

ただし、その内約520億ドルは他の諸国より支払われました。


〇イラク軍は、焦土作戦の一環として700の油井に放火しました。(更に周囲に地雷設置)

消火作業員の投入が困難で、火災は制御できないほど燃え広がり、約6百万バレル の石油が毎日失われていきました。

消火作業には15億ドルの経費がつぎ込まれ、10カ月かけて消火作業は終了しました。

〇また、イラクは400億ガロンの原油をペルシア湾に流出させました。


中東危機と資産クラスの関係。

ここからは、少し投資家目線で中東の危機を見ていきましょう。

過去30年間の中東危機に対する米主要アセットクラスの反応です。


同期間で起きた20回の「中東危機」において、

事件が起きる前日に買い、

事件3ヶ月後に売った場合の各資産のリターンは以下の通りとなっています。

()内は上昇した確率

原油(WTI) +9.10%  (74%)
S&P500    +2.80%  (75%)
金        +0.00%  (50%)
ドル       -0.30%   (50%)
米国10年債    -0.30%   (45%)

データはマネックス証券のマネクリ参照
https://media.monex.co.jp/articles/-/13100


過去30年のデータを振り返ってみると、

事件直後は多少動きますが、

原油以外は、長期的には大きな影響を及ぼさないという印象があります。

(もっとも、1970年代中盤にはオイルショックによる大不況などもありましたが・・)

あくまで過去のデータです。今後どうなるかはわかりません。参考までに。


長期投資家が忘れてはいけない事


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更に、広い視野でS&P500チャートをみれば、

湾岸戦争の動乱や90年初頭の景気後退が、

まるで嘘だったかのような力強いチャートを描いています。



大きな事件や、予想しえない突然のニュースによって、

時には動揺したり、不安に陥るかもしれませんが、

冷静に投資を続けることが大切だと私は思います。



過去200年において、米国株式市場は二度の世界大戦、冷戦、テロなどを含む、

数々の事件を乗り切ってきた歴史も忘れてはいけません。


多くの普通の人にとっては、

変に動かず、事前に決めた自分の目標と許容リスクに合った、

資産配分を守り続ける方が上手く行くと個人的には思います。


未来はわかりません。

ただ「歴史は繰り返さないが韻を踏む」とも言います。

過去の中東の出来事や、S&P500を学ぶことも大切だと思います。


そして、何よりも忘れてはいけない事

2011年3月11日の東日本大震災を受けて、

イランの富裕層から労働者まで多くの人々から義援金(及び物資)が寄せられたことです。

アラグチ大使「深く哀悼する。偉大な日本国民は必ずこの自然災害を克服できると確信している」

イラン外相「日本国民は、今回も困難を乗り越え、辛い状況を突破できるだろう」

全てのイラン国民の心は日本とともにあると述べつつ,

イランは日本に対し更なるあらゆる支援を行う用意があると述べました。

参照 外務省のHP

日本人は受けた恩を、簡単に、たった数年で、忘れてしまう・・・

そんなことはありません。

一投資家として、目の前の機会を捨てろ!拾うな!とは言いません。

ただ、有事の際でも、

人としての矜持、倫理を忘れない事が大切だと私は思います。


私は少しのお金儲けの機会よりも、世界が平和であることを望みます。

(人類にはいいかげん、そろそろ戦争を克服して貰いたいところです)


何よりも米国やイランに暮らす普通の方々が、

日々、怯える事も、憎しみ合う事もなく、

平穏に、当たり前の毎日を今後も送り続けれられる事を祈っています。


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