株式市場は美人投票?

偉大な経済学者であるケインズは、

プロの資産運用者は「高度な推理ゲームをしている」と指摘し、株式市場を当時ロンドンで行われていた美人コンテストに例えています。

ウォーレンバフェットになどの有名投資家にもたまに引用されていますので、どこかで「投資は美人コンテストのようなもの」という表現を聞いたことがある方も多いと思います。


「雇用・利子および貨幣の一般理論」より引用(一部省略)


 
プロの投資は新聞の美人投票になぞらえることもできるだろう。

投票者全員の平均的な好みに一番近い選択をした人に商品が与えられる。

そのため投票者は自分が一番美しいと思う顔を選ぶのではなく、他の投票者の心を最も捕えそうだと思う顔を選ばなければならない。全員が問題を同じ視点から見ているのである。

ここでの問題は「本当に最も美しい顔」を選ぶことではない。
「平均的な意見が最も美しいと考えている顔」を選ぶことでさえない。

我々は知力を注いで、「平均的な意見」が「平均的な意見だ」とみなすものを予想するという第3次元まで到達している。

中には第4次、5次、さらにはもっと高い次元で予想をしているものもいるだろう。


セイラ―「ちょっと実験してみた」

このケインズの主張は多くの投資家をうなずかせてきました。

ノーベル経済学賞を受賞したリチャートセイラーは、

このケインズの主張に興味をもち、とある実験をしました。

実験内容


参加者は0~100までの中から、好きな数字を1つ選ぶ。

その数字を全員分集計して平均値を出し、平均値の2/3に一番近い数字を選んだ人が勝ち。

あなたならどの数字を選びますか?


ファイナンシャルタイムズ紙の完全協力の元、

実験の真意はふせ、正解者にはロンドン・アメリカ間のビジネスクラスの航空券二枚プレゼントという商品もつけ、実験は行われました。

参考として、同誌の読者は一般的な人より賢い層が読んでいます。投票は一人一回です。


あなたならどの数字を選びますか?


ぜひ、答え合わせの前に、「自分ならどの数字を選ぶか?」

真剣に選んでみてから読み進めると、よりおもしろいかもしれません。

もしかしたら、貴方には市場参加者の予想を当てる才能、もしくは強運があるかもしれません。



参加者の様々な思考パターン

①大勢の人が0~100の数字をランダムに選ぶと平均は50。50の2/3は「33」なので「33」を選ぶ。

②みんなは33を選ぶはずだからその2/3の22を選ぶ。

③みんなゲームのルールをわかっていてほとんどの人が33を選ぶと想定して22を選んでいる。だから15にする。

〇ナッシュ均衡によるアプローチも・・・・。

このゲームにおけるナッシュ均衡(その数字を選んだ時、誰も数字を変えたいと思わない数)は0なので0に近い数字を選択する。

さらにいたずら行為も・・・

結果発表
00


リチャードセイラー著「行動経済学の逆襲」より引用

正解は「13」でした。

当たった方、おめでとうございます!

私は普通に外しました。

やはり、一次思考、二次思考、そしてゲーム理論にもとづいて0(もしくは1)にした人が多く見られました。

結果についての補足

1が多い理由はルールの書き方によるものもあり、0を含まないと勘違いした人も多くいたとのこと。結果には影響を及ぼしませんでしたが、セイラ―教授は反省し以降改善したそうです。

また、答えは0だが参加者の中にバカいると予想して1にずらした人も結構いたそうです。


また、明らかないたずら票がに関して、集計にいれるか迷ったそうですが、投票条件は守っていたので集計に入れたそうです。これにより、結果が12から13に押し上げられました。

個人的にこれは英断だと思います。株式市場は合理的な人だけではなく非合理的な方も参加していますし、ノイズのようなものも全然ありますから。


理由は様々!最もりんりが好きだった理由はこれ

参加者が数字を選んだ理由は、合理的なものから、縁を担いだもの、適当なものまで様々でした。

中でも私が好きだったのは「7」を選んだ学生の理由です。

「私の父は、市場と数学について平均的な知識を持っています。その父が「10」で怖気ついてやめたから」というものでした。

ところが実際は、この学生の父は平均的な参加者よりも1段階深い思考を持っていました。

父を老害扱いしたり、過小評価せずに適切に評価していたら、正解により近づけたのかもしれません。


結論

株式市場は美人投票とするケインズの主張に基づく実験。

そこからわかったのは、他の市場参加者が何を予想しているのか当てるには、

1次的思考、2次的思考、ゲーム理論など、どれも答えに結びついたとはいいがたく、

セイラ―曰く「(美人投票において)全く役に立たない、助言としてもあまり意味のないもの」となってしまいました。

(今ではより優れたモデルの提案や試みが行われているようですが・・・)

美人投票、言い換えると他人(市場参加者)の考えの予想当てゲームの答えを導き出すのは、とてつもなく難しいようです。

私は美人投票には参加しません。

このような、予測できないものに力を注ぐより、

自分のコントロール可能なものに力を注いだほうが効率がいいと私は思います。

かえって、自分にだけは美人投票の結果がわかると思いこんでしまう方が、大きな間違いを犯してしまう危険性もあがると思います。

以上のことから、

私は「美人投票」には参加せず、自分のできる事(規律、バランス、コストの最小化など)に注力し、これからもバンガードS&P500ETF(VOO)に投資を継続していこうと思います。

他の市場参加者の動向や予想当てゲームはほどほどに。


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