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アンカリング


今回はアンカリングと投資について話していきたいと思います。

アンカリングとは認知バイアスの一種です。

簡単に言うと、アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めてしまう現象の事です。

投資家とアンカリング

投資をしていると、よくあるアンカリングの例に以下のようなものがあります。

100ドルで買った株が値下がりして、50ドルとなり含み損が発生しているとします。

典型的なアンカリングに捕らわれてしまっている投資家は、

購入価格の100ドルという数字が「アンカー」となり、「現在の低評価」や「合理的な理由」、「機会損失」などを一切無視(軽視)して、せめてトントンになるの待とうとする。

という行為などがあげられます。

よく損を出している投資に執着する投資家がいますが、その理由の一つがアンカリングの影響によるものと言われています。


詳しくアンカリングについて知りたい方は行動経済学の本。

特にダニエルカーネマンのファスト&スロー がおすすめです。(私は彼の本や行動経済学が大好きです)



ケイス・アンダーソン等の研究

2016年にケイス・アンダーソン等の発表した「Glamour  Value and Anchoring on the Changing」の中に、興味深い投資家のアンカリングに関する報告があります。

この論文の結論は「グロース株の利益見通しについては、一貫して過大評価がなされている」というものです。

彼等は1983年から2010年までの米国株式を対象として、PER(株価収益率)を基準に株式を15つに分類し、各銘柄の推移などを分析しました。

PERへのアンカリング

グロース株投資家はグロース株の高いPERに執着し、将来PERが変化する可能性が高いことを無視する。仮にPERが変化するとしてもゆっくりとしたものになると期待することもある。

ようするに、グロース株投資家にとって「PER」が一つのアンカーとなりアンカリングが起きているとアンダーソン等は主張します。

その根拠を全て紹介するととても長くなってしまうので、個人的に興味深いと思った点を簡単に紹介します。

グロース株とPER

〇この対象期間中、グロース企業が、翌年赤字に転落する確率は34%。(バリュー株は25%)

〇上記のようにPERで15つのグループに企業を分類した際、大きく損を出している企業群が同じグループに留まる確率は32%、バリュー企業は34%。この二つのファクター以外の
企業群のPERは変動しやすく、翌年も同じグループに留まる確率は15~20%に止まります。(=グロース企業のPERは変化しやすい)

〇グロース株は同じグループに入ったバリュー株よりも3倍のリターンをあげている。これがグロース株の人気の理由の一つですが、翌年も同じグループに残り続けるグロース株は少ない。

〇ギリギリ黒字から完全な赤字に転落した際のグロース株は平均ー41%の損失を投資家にもたらしました。損失を出し始めるとバリュー銘柄よりも大きく拡大し、歯止がなかなかかからない。

より詳しく知りたい方は下にリンクを載せておきましたので、是非原文をお読み下さい

研究結果はこちらで読むことが
できます。

まとめ

全部は紹介しきれませんでしたが、なかなか興味深い研究だと思いました。

誤解しないで欲しいのは、私はグロース株が悪いとは思っていません。

グロース株のPERは変化しやすいなどの
特性やリスクを理解したうえで投資をする分にはいいと思います。

ただ、その時にはアンカリングにかかってしまわぬ様、特に気をつけようということが、今回言いたかったことです。

アンカリングに関しては、もちろんグロース株に限らず、生活のあらゆるものに影響を及ぼし、私達の間違った判断を誘います。

投資家として、より深く行動経済学を学んでいきたいと思います。


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