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カリスマトレーダー・・・ではないネロの物語


以前、ニコラス・タレブ著「まぐれ」に 登場する

天才トレーダー「ジョン」の人生を紹介しました。


本編に入る前に、是非以前の記事もご覧ください。

リスクや暴落との向き合い方。天才ハイイールド債トレーダー「ジョンの人生」

ジョンの話の最後に、もう一人の主人公「ネロ」というトレーダーが登場します。


実はこの二人、同じ時代の同じ市場でトレードをしていたのに、全く違う人生を歩むこととなります。

というのも、

二人の性格や投資スタイルがまるで正反対だったからです。


ネロ・チューリップは働きたくない。

ネロはケンブリッジ大学で古代文学と数学を専攻し、

シカゴ大学で統計学の博士課程に進みました。

しかし、途中で哲学科に移り、哲学で博士論文を書きあげます。


その後、学界へ進むも、哲学や論文、論争がつまらなく感じます。

そもそも、勤め人のような仕事をしたくないから学会へ進んだのに、

ネロは結局仕事をしているような気持ちになっていきました。


ついにネロは大学や学界から離れる事を決めます。

平坦で服従に満ちた人生から逃れるため、ネロは動きます。


ネロ、トレーダーデビュー

シカゴの取引所で、トレーダーの姿を目にしたネロはこれだと思います。

取引所で仕事を見つけたネロは、シカゴの流儀を学び、やる気に満ち溢れます。

すぐに自営のトレーダーへと転身し、さらに上を目指していきます。


結果・・・ネロは数学的に複雑な金融商品を駆使し成功を収めます。

それを聞き付けたNYやロンドンの金融機関は巨額の報酬を約束してネロを雇おうとしました。

数年間、このNYとロンドンを行き来しながら、ネロは働きます。



カリスマトレーダーにはなれなかったネロ

高いスーツを着て大事な会議に出席する。会社で出世する。権力など・・・

これがネロに合いません。

ウォール街でのし上がっていくには、管理や経営のスキルも必要ですが、

それらをネロは全く楽しいと思えませんでした。

人付き合いは苦手ではないものの、社内でのネロの影は薄くなっていきます。


好きな事を仕事に。好きな時間に働く。ネロ

結局、ネロは「プロップ・トレーダー」として働くことにしました。

毎年、年末に稼いだ利益の7~12%を受けとる契約です。

金融機関がトレーダーを独立した主体として扱うので、

好きな時に働けて、マニュアルもなし。

これでネロはいつでも自由に、好きなように仕事ができるようになりました。


プロフェッショナル仕事の流儀

ネロのスタイルは誰よりも慎重でした。(ジョンと真逆)

そこそこ良い年と、それほど良くない年もありましたが、

本当に最悪な年はありませんでした。

10年間で30万(最低)~250万(最高)ドルの報酬を手にし

平均で毎年100万ドル、税引き後で50万ドルは貯蓄に回せました。

そしてそれを全額預金口座に預けました


そんな会社やめてやるよ。

ネロの投資人生最悪の年は1993年でした。

周りのトレーダーが大儲けしたので、「相対的に」成績の悪かったネロは任される資金を大幅に減らされました。会社もクビになりかけます。

そこで、ネロはもっと良い条件の会社に移って、同じように仕事を始めます。

1994年の秋、金利上昇を受けて債券市場が暴落した時、元の会社に残っていたトレーダー等は皆吹き飛びました。

(仕事を辞めても、毎回すぐに仕事が見つかるネロのスキル(腕)と行動力は見習いたいものです。)



超お金持ちやカリスマトレーダーにはなれなかったけれど・・・・

ネロが「超」お金持ちやカリスマトレーダーになれなかったのは、

彼の極端にリスクを避ける性格と戦略の影響です。


ネロは「俺は長生きしようとがんばっているんだよ」と言います。


学界や退屈な仕事に死ぬほど戻りたくないという気持ちと

周りトレーダーが吹き飛ぶのをたくさん見てきたネロは徹底したリスク管理を行い運用してきました。


ネロの手法もちょっとだけ

事前に決めておいたところまで損がかさむと即ポディションを手仕舞いにする。

どんなに損をする可能性が低かろうと、許容額を超える投資はしない。

などがネロの方針です。


また意外にも「ちょっと損するのは構わない」とも言います。

ただ、どんな場合でも・・・

トレーダーをまとめて吹き飛ばすような暴落やパニックでも、吹き飛ぶ可能性を避けることが信条とのことです。


ネロの資産運用術

ネロは自身の財産でも同様・・・というか仕事以上に

全くリスクをとらず、可能な限り安全な資産に投資をしています。


業界で、14年過ごした、9歳の時点で、個人資産は数百万ドルでしたが

その全てを米国中期国債に投資していました。

(米国中期国債の利回りだけで生活に困らかったそうです。)


当然ですが当然上昇相場や下落相場でも、全く心配はありませんでした。

ネロは現金収入を重視し、資産の拡大において「運用」には頼っていなかったそうです。


感想

私は初めてネロの話を読んだときは、正直すごく保守的な(すぎる)人だなあと思いました。

まだ、市場平均を上回る事を夢見てた頃の感想です。

ネロさん、本当にごめんなさい。


でも今は、全く違った見方をしています。

自分の気持ちや信念に従い、他人や学界、会社に左右されることなく

力強く、自分の人生を生きるネロの姿に尊敬の念を抱いています。

(バフェットの言う所の「内なるスコアボード」というやつですね)


自分の幸せをしっかりと見極め、楽しいと感じる人生を悠々と送る姿は憧れます。

また、許容できるリスクを見極め、絶対に超えないという姿勢は、多くの人が見習うべきだと思います。


残念ながら私にはネロ程の現金収入や稼ぎはないのですが、

いつか米国中期国債(くらい安全な資産)による収入だけでも、生活に困らないくらいの資産を築けたらいいなあと思っています。

まだまだ遠すぎる道のりなのですが笑)


まずは生き残って、今後も投資を継続できるように

日々の仕事をがんばること

そして「落やパニックでも、吹き飛ぶ可能性を避ける」

つまり、慎重に徹底したリスク管理を心がけて投資を続けていきたいと思います。



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