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画像は八戸駅 「CLANNAD~AFTER STORY~(クラナド アフターストーリー)」より 今年で放映10周年

不確定な未来との向き合い方

昨今は市場の見通しがあまりよくなく、

今後の先行きに不安を感じている方も少なくないかと思います。


そこで今日は「ブラック・スワン」で有名なナシーム・ニコラス・タレブの

名書「まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」にでてくる

ハイイールド債トレーダーのジョンの話を紹介したいと思います。


1章と5章にでてくるこのジョンは、魅力的な男なのですが、

全文引用すると長くなりすぎるので、今回はかなり要約して紹介します。


この自称天才トレーダーの顛末をお楽しみ頂けたら幸いです。


天才トレーダーへの道

ベイス大学卒業後、ジョンはウォール街でハイイールド債のトレーダーをしていました。

他の会社へ移った時に、

異例の速さでトレーダー10人のチームのリーダーとなります。

さらにその時に

〇利益の20%を受け取れる。
〇自分の取引に自分の財産を投資できる

などかなり有利な契約を勝ち取りました。

ジョンの「ビジネス」センスと「運」は一級品だったようです。


どんな場面でも冷静で、感情を表に出さない。でも空気を読んでたまに毒づく。

服装も完璧で、周囲からも「実利的」「プロフェッショナル」と言われていました。



32歳の時、ジョンの個人資産は100万ドルでしたが、

35歳の時には、ジョンのボーナスは1000万ドル(税引き前)に達し

1998年には、個人資産は1600万ドルを超えました。




最高の相棒ヘンリーを得る


ジョンを支えていたのは、

コンピューターと方程式を操るクウォンツのヘンリーでした。

数学が苦手なジョンはリスク管理をヘンリーに頼っていました。

「あいつの脳みそと俺のビジネスセンス」とジョンはよく言っていたそうです。


ジョンは不安になるとヘンリーに最新レポートを出すよう頼みます。

ジョンに雇われてから3年でヘンリーの給料も5万ドルから60万ドルへ跳ね上がりました。


黄金時代・最高の時

ジョンは会社のために多くの利益をあげました。

そのペースは半端なく、

毎年のように前の年の倍、倍と増えていきます。

会社から任される額も増え、周りの他のトレーダーもジョンのトレードをマネしだすくらいでした。


絶頂期の1998年には自分の財産1600万ドルのうち1400万ドルも一緒に投資していました。

さらにそこにレバレッジを賭け、自分のトレーディングに5000万ドルほどの自己資金も合わせて運用していました。

会社からのボーナスに加えて、この手法がジョンの資産を加速度的に増やしていきました。


ノイズ

1998年夏、損が出始めたとき、ジョンは彼らしく市場を無視しました。

「相場は気分で動く、そんなのに一喜一憂していれば頭がおかしくなってしまう」

「平均回帰するから、逆方向のノイズに相殺される可能性が高い」

ヘンリーから聞いていたことをジョンは自分なりに解釈して、こう発言しました。



7年かけてヒーローになり、7日で地に落ちる

計算上、滅多に起きないはずの出来事が突然彼らを襲います。

ヘンリーのヘッジ戦略は機能せず、

ほとんど全部が「同時に」不利な方へ動きました。

例外的な事例と高すぎたレバレッジの組み合わせが全てを吹き飛ばしました。


後から振り返ると市場はそれほど下落したわけではなく

ジョンの解釈もほとんど合っていました。


でも、結果として、

たった数日で、ジョンは自分の財産約1400万を蒸発させ、仕事も一緒に失いました。


「あっ・・・(察し)」

1998年9月のある朝、ジョンの家の向かいに住むトレーダーネロは

仕事に出かける前、タバコを吸わないはずのジョンが

庭でタバコを吸っているのを目撃します。


例のスーツも着ていません。態度は謙虚になっていました。

ネロは全てを察したといいます。


余談ですが・・・

バカでかい家と、バカでかいダイヤモンドとスポーツカーのコレクションで、周囲を見下しバカにしていたジョンの奥様が、その後どうなったか・・・

あまり想像したくありませんね。


一番の被害者は・・・・

でも、不幸中の幸いですがジョンにはまだ100万ドルの財産があります。

多くを失い、精神的には打ちのめされましたが、

トレーダーとして働いた7年間で結果的に差し引き100万ドル稼ぎました。


7年間でジョンは自分の働いていた金融機関に2億5000万ドルの利益をもたらし、

最期の数日間で6億ドルの損害を与えました。


タレブの見解

トレーダーは損をする事には慣れているが、

ジョンは苦しみから永久に立ち直ることはできない。

とタレブは言います。

「彼が吹き飛んだからだ。思っていてたよりもずっとたくさんの損をして、彼は自信を完全に失った。」

「もう一つの理由は、彼は最初から能力なんかなかった。何かが起きたときたまたまそこにいた運のいい人の一人にすぎなかった。」


具体的な手法や、より詳しい内容が知りたい方は

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか」を是非一読ください。

少し古い本ですが、私が最も好きで影響を受けた投資本の一冊です。


感想

私はレバレッジに良い印象は持っていませんが、適切に使えば大きな武器になることは否定しません。

初心者の方にはおすすめはしませんが、使ったからといって非難する気もありません。


ですが、例え確率が低くても、

「ある出来事」が起こると一撃で吹き飛ぶようなポディションを取ってはいけないと思います。

「ある出来事」が予測できているのならまだいいのですが、

予想できない出来事「ブラックスワン」も起こり得るのが市場です。


ジョンの人生を反面教師として、

自分の許容範囲を超えて、立ち直れなくなるほどのリスクをとったり、

運や自分の能力を過信しすぎずに、投資を続けていこうと思います。



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