CRSP・MSCI・S&P・ラッセル
今回はインデックス・プロバイダーとして代表的な4社
CRSP・MSCI・S&P・ラッセルの米国株式インデックスを算出する際の基準を比較していきたいと思います。
4社ともそれぞれ「客観性」「市場の正確な反映」「効率的なインデックスの構築」など、プロバイダーとして十分な能力を有しています。
その一方で、時価総額の境界区分(バッファーゾーン)やグロース株・バリュー株の分類などにおいて、各社若干の違いが見られます。
今回は同じ米国株式という資産クラスのインデックスを算出している、4社の違いを楽しんでいただければ幸いです。
「補足」インデックス・プロバイダーとは
市場インデックス(指数)を設定・算出し、パッシブ運用商品の基盤となる知的財産のライセンスを発行する企業です。
個別銘柄投資をしている方も是非
インデックス投資家に限らず、
例えば、各社のバリュー銘柄とグロース銘柄を選択する時の基準などは、
インデックス投資家だけではなく、米国株投資家にも参考になるかと思います。
他の三社と異なっている所については を引いてみました。
(バリュー・グロースの分類基準については4社とも違います)
それでは始めます。
CRSP
シカゴ大学証券価格調査センター(CRSP)の開発したベンチマーク。VTIなどで有名ですね。
〇個性銘柄決定要因 透明性が高い客観的なルール
〇入れ替え頻度 四半期ごと
〇市場カバレッジ 包括的(米国市場全体の99%以上をカバー)
〇セクター分類 FTSE業種分類ベンチマーク(ICB)を使用
〇米国株式銘柄数 銘柄数は固定していない
〇グロース株の基準
・1株当たりの利益(EPS)の長期的な成長期待
・1株当たりの利益(EPS)の短期的な成長期待
・EPSの過去3年間の成長実績
・1株当たりの売上高の過去3年間の成長実績
・総資産投資比率(総資産―投資)
・総資産利益率
〇バリュー株の基準
・株価純資産倍率
・予想株価収益率
・過去の株価収益率
・配当利回り
・株価売上倍率

MSCI
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する指数の総称
S&Pダウ・ジョーンズ
S&P グローバルとシカゴ・マーカンタイル取引所グループの合弁事業として運営されるインデックス・プロバイダー。S&P500などが有名。
1882年のDow Jones Averageの算出まで遡る、歴史あるプロバイダーです。

ラッセル
FTSE Russellが算出・公表している、アメリカ合衆国の株式市場を包括的にカバーする代表的な株価指数。

(参照 CRSP・MSCI・S&P・ラッセル 各社のホームページなど)
まとめ
各社とも同じ米国株式市場に幅広く分散している以上、
そこまでリターンに影響が出るものではないかと思います。
(バリュー・グロースのような対象を絞ったインデックスは異なります)
余談ですが
どちらかといえば、上昇が続いているプロバイダーに払うインデックス使用料の方が、
私達の投資コストを下げるうえで、今後問題となるかもしれません。
例えば、バンガード社は2012~13年に、22本のインデックスファンドのベンチマークを、MSCIからより低コストの指数CRSPまたはFTSEに切り替えました。
今回はインデックス・プロバイダーとして代表的な4社
CRSP・MSCI・S&P・ラッセルの米国株式インデックスを算出する際の基準を比較していきたいと思います。
4社ともそれぞれ「客観性」「市場の正確な反映」「効率的なインデックスの構築」など、プロバイダーとして十分な能力を有しています。
その一方で、時価総額の境界区分(バッファーゾーン)やグロース株・バリュー株の分類などにおいて、各社若干の違いが見られます。
今回は同じ米国株式という資産クラスのインデックスを算出している、4社の違いを楽しんでいただければ幸いです。
「補足」インデックス・プロバイダーとは
市場インデックス(指数)を設定・算出し、パッシブ運用商品の基盤となる知的財産のライセンスを発行する企業です。
個別銘柄投資をしている方も是非
インデックス投資家に限らず、
例えば、各社のバリュー銘柄とグロース銘柄を選択する時の基準などは、
インデックス投資家だけではなく、米国株投資家にも参考になるかと思います。
他の三社と異なっている所については を引いてみました。
(バリュー・グロースの分類基準については4社とも違います)
それでは始めます。
CRSP
シカゴ大学証券価格調査センター(CRSP)の開発したベンチマーク。VTIなどで有名ですね。
〇個性銘柄決定要因 透明性が高い客観的なルール
〇入れ替え頻度 四半期ごと
〇市場カバレッジ 包括的(米国市場全体の99%以上をカバー)
〇セクター分類 FTSE業種分類ベンチマーク(ICB)を使用
〇米国株式銘柄数 銘柄数は固定していない
〇時価総額管理
構成銘柄の変更時は「バケット化」により、ある企業の株式を数段階に分けることで、一つのインデックスから別のインデックスへ段階的に移動する
〇グロース株の基準
・1株当たりの利益(EPS)の長期的な成長期待
・1株当たりの利益(EPS)の短期的な成長期待
・EPSの過去3年間の成長実績
・1株当たりの売上高の過去3年間の成長実績
・総資産投資比率(総資産―投資)
・総資産利益率
〇バリュー株の基準
・株価純資産倍率
・予想株価収益率
・過去の株価収益率
・配当利回り
・株価売上倍率

MSCI
MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する指数の総称
〇個性銘柄決定要因 透明性が高い客観的なルール
〇入れ替え頻度 四半期ごと
〇市場カバレッジ 包括的(米国市場全体の99.5%をカバー)
〇セクター分類 世界産業基準(GICS)を使用
〇米国株式銘柄数 銘柄数は固定していない
〇時価総額管理 時価総額区分には重複するバッファーゾーンを適用
〇グロース株の基準
・長期及び短期の予想EPSの成長率
・現行の内部成長率
・過去の長期的なEPSの成長トレンド
・過去の長期的な1株当たりの売上高の成長トレンド
〇バリュー株の基準
・株価純資産倍率
・12ヵ月先予想EPS
・12ヵ月先予想EPS
・配当利回り
S&Pダウ・ジョーンズ
S&P グローバルとシカゴ・マーカンタイル取引所グループの合弁事業として運営されるインデックス・プロバイダー。S&P500などが有名。
1882年のDow Jones Averageの算出まで遡る、歴史あるプロバイダーです。
〇個性銘柄決定要因 透明性が高い客観的な基準と指数委員会による調査を併用
〇入れ替え頻度 必用に応じて随時(スタイル別インデックスは年1度)
〇市場カバレッジ 包括的(米国市場全体の99%以上をカバー)
〇セクター分類 世界産業基準(GICS)を使用
〇米国株式銘柄数 NYSEとナスダックに上場する全ての普通株式
〇時価総額管理 時価総額区分には重複するバッファーゾーンを適用
〇グロース株の基準
・1株当たり株価に対するEPSの過去3年の変化
・過去3年間の1株当たりの売上高成長実績
・モメンタム(過去12ヵ月の株価変動率)
・過去3年間の1株当たりの売上高成長実績
・モメンタム(過去12ヵ月の株価変動率)
〇バリュー株の基準
・株価純資産倍率
・株価収益率
・株価売上高倍率

ラッセル
FTSE Russellが算出・公表している、アメリカ合衆国の株式市場を包括的にカバーする代表的な株価指数。
〇個性銘柄決定要因 透明性が高い客観的なルール
〇入れ替え頻度 年一度
〇市場カバレッジ 包括的(米国市場全体の99%をカバー)
〇セクター分類 ラッセル・GICS およびICBの基準を使用
〇米国株式銘柄数 3000
〇時価総額管理 時価総額区分には±2.5%のバッファーゾーンあり
〇グロース株の基準
・トムソン・ロイターI/B/E中期成長予想(2年間)
・過去5年間の1株当たり売上高の成長実績
・過去5年間の1株当たり売上高の成長実績
〇バリュー株の基準
・株価純資産倍率

(参照 CRSP・MSCI・S&P・ラッセル 各社のホームページなど)
まとめ
各社とも同じ米国株式市場に幅広く分散している以上、
そこまでリターンに影響が出るものではないかと思います。
(バリュー・グロースのような対象を絞ったインデックスは異なります)
余談ですが
どちらかといえば、上昇が続いているプロバイダーに払うインデックス使用料の方が、
私達の投資コストを下げるうえで、今後問題となるかもしれません。
例えば、バンガード社は2012~13年に、22本のインデックスファンドのベンチマークを、MSCIからより低コストの指数CRSPまたはFTSEに切り替えました。
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