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資産配分を考える時、

(特に昨年くらいまでは)

株と債券の比率だけを語られ、

現金は「株や債券を買うための準備」

くらいにしか思われていない節があったように感じます。


おそらくシーゲル教授の研究など影響もあるでしょう。

(また逆に投資をしていない人は、現金を過信しているという節もありますが・・)


今回はこの現金というテーマについて、

ピーターバーンスタインの主張を紹介します。

この分析は「戦術的」資産配分ではなく「戦略的」資産配分であると

述べていますので、

短期的な話ではなく、大局的な話だとご理解ください。


「注意」

米国人が米国市場について述べた考察だという事は

十分考慮しなくてはなりません。

そのうえで、リスク管理のプロであるバーンスタインの考えを学ぶことは、

多くの日本人投資家にとっても有効だと思います。


あえて今回はりんりの主張は「なし」で紹介しますので

是非自分だったら・・・とかみ砕いてご覧下さい。

またすべてを紹介すると長くなるので、要点を絞って紹介します。




ピーターバーン・スタインの主張

ポートフォリオでリスクを下げつつリターンを増やすには、

現金に注目すべきだ。



「株式と現金からなるポートフォリオ」は、

「株式と現金」のポートフォリオは、

「株式と債券」のポートフォリオに比べて

長期的には同じ程度のリスクで、

より高いリターンを実現することができる。



債券について

債券を組み入れるのが有効なのは二つの例外的なケースに限られる」

①債券市場に例外的なチャンスが生まれた場合

②ファンドが元本に比べて現金支出のニーズが高いというような特別なPFの場合


この二つの特殊なケースを除けば、

無視されるべきなのは現金ではなく

むしろ債券という事になる。



分散投資について

長期的には株が最も高いリターンを約束するから

多くの投資家は株を中心に資産配分を考える。


同時にほとんどの投資家にとって、

株のみのポートフォリオはあまりにリスキーだ。

そこで分散投資なのである。

(分散は必ずしもよいことずくめではないが)


分散の効果を最大限にする2つのポイント

①各資産から得られるリターンの動きはバラバラでなければならない

②各資産の期待リターンは高い方がいい。(
マイナスリターンが予想される資産を保有する意味はない)




債券と現金はこの二つの条件を満たすのか?

(必ずしも定かとは言えないが)

株と債券のリターンの相関関係はほとんどの場合、弱い正の相関関係がみられる。

株と現金のリターンには(さらに弱いものの)負の相関関係がみられる。


株と債券のリターンは通常正の相関関係にあり、

株のリターンの方が高いなら、

なぜ、わざわざ債券など組み入れる必要があるのか?


債券組み入れの2つのメリット

通常の場合

①債券の期待リターンは、長期では現金より高い

②債券の期待リターンは、株よりも変動が少ない。

(インカムゲインの主要部分にもできる)


債券の3つの欠点


①ほとんどの場合、債券の期待収益率は株より低い。

(保有期間が長ければ長いほどその傾向は強くなる)

②債券と株のリターンは同方向に動くため、分散投資の効果が薄れる

③債券はマイナスリターンをもたらすことがある。

(現金には少なくとも名目上はこのような危険はない)




債券と株式のリターンの比較

債券と株式のリターンを月次毎、四半期ごとに比較してみると

7割以上は両方ともプラスになる

長期で見ればこの比率はさらに高まる。

(長期で見ればどちらもプラスとなる確率が高まる)


債券価格が上がるときに株価も上がることが多い

この時、債券が株よりも高いリターンをもたらしているのでない限り

債券がポートフォリオ全体のパフォーマンスに貢献するには

債券が上昇し、株価は下落しているような

例外的な期間だけである。





通常現金のリターンは債券よりも低い

しかし、債券のリターンがプラスの場面のうち約3割は

現金も債券並みのリターンをもたらし

債券リターンがマイナスの時も、

現金のリターンは常にプラスである。

一例 

①株式60% 債券40%

②株式75% 現金25%

リターンは明らかに②の方が高い。

リスク水準はほぼ同じ。

138の四半期のうち、88回は(約65%)は

②のポートフォリオの方が高い収益率を生んだ。



結論

現金の期待リターンの低さを補うレベルまで、

株式の比率を増やせばいい。

現金がマイナスリターンをもたらすことはない以上、

リターンの変動幅は債券を組み入れたポートフォリオと比べてあがることはない。


債券へ投資が合理的な時

①市場が一時的に不均衡となり、債券をポートフォリオに組み入れるチャンスが来た場合

②毎年高水準の現金収入を必要とするポートフォリオの場合

債券に投資する必要もある。


しかしこれらは例外的なものであり、


基本的に長期では

債券のリターンは株よりも低く

リスク削減効果の面で現金に劣る


債券とポートフォリオに組み入れる時は明確な理由を必要とする。

原則として、債券はポートフォリオの中に居場所はない。


(参照 How True Are the Tried Principles )




あくまでピーターバーンスタインの見解であり、

バフェット・シーゲル・ボーグル、など

債券に対して違う見解を述べている著名投資家等も数多くいます。

あくまで参考までにお考え下さい。

(最も驚くべきはこの意見を1989年に発表している事です。)

投資会社バーンスタイン社の社長・兼評論家としても成功し

名著「リスク」を書きあげ

投資業界や経済会で尊敬を集める、

ピーターバーンスタインの思い切った見解ですので

是非みなさまの投資戦略のたたき台やヒントとして、

何かしらお役に立てて頂ければと思います。




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