今日は少し視点を変えて

米国の一般的な株式ではなく、

未公開株を扱う投資ファンド、プライベート・エクイティについて考えていきたいと思います。


「プライベート・エクイティ」とは、

元々は未公開株式のことです。

一般的には、未公開企業に関する投資全般をさして使われます。

代表的なものとして、PEファンド、MBOファンド、買収ファンド、企業再生ファンド、ベンチャーキャピタルなどがあります。

初心者の方でも聞き覚えがある単語があるのではないでしょうか?


またプライベート・エクイティは大きく二つに分けることができます。

「ベンチャーキャピタル」創業期の会社や事業に投資するベンチャー投資

「バイアウト」成熟期以降の会社や事業に投資する投資



本題に入ります。

プライベートエクイティ投資が難しいのは、

すごく私的な意見ですが、パッシブな投資方法が使えないという点にあります

例えば普通の米国株ならS&P500を買えばいいし、債券も同様です。

(そもそも市場を明確に定義しずらいという問題もありますが・・・)

そんなプライベートエクイティに投資をする、

アクティブ運用機関の成績はどの程度だったのか?

少し古いですがおもしろいデータをみつけましたのでご紹介します。


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参考 勝者のポートフォリオ デイビッドスウェンセン



〇まずはベンチャーキャピタルのリターンを見てみましょう。

最高リターンが498.2%と素晴らしいファンドから、

最低リターン-89.7%という悲惨なファンドまで幅広く分布しています。


中位値が8.1
%と、同期間の米国株式の15.4%、米国外株式の14.9%と比較しても、

かなり低いことがわかります。


個人的に注目してほしいのは第三分類のリターンですら0.6%という点です。

リスクをとって投資をしたのに18年間でほぼ元本そのままという少し悲しいものとなっています。

(名言はされてませんがおそらくインフレ調整前のデータですので実際には・・・)


ベンチャーキャピタルから投資を受けた起業家が、

ガレージで設立した会社を大きくして・・というような話には私も胸が躍ります。

「新技術の創造」や「ベンチャー企業の育成」という社会的な役割もあるので、

ベンチャー投資そのものは否定はしません。

また日本の普通の投資家は、米国の一般的な上場株式以外(上記のような未公開企業など)に投資をする手段が限られますので、そういう意味では分散投資とも言えるでしょう。

ただ、私はあえてそのようなリスクをとったり、そこまで分散を広げたりして

本来S&P500に回す予定の資金を振り向けようとは思いません。

また初心者の方にもお薦めはしません。

もし、「リターン」を狙って投資をするなら、

普通株式以上に(勝ち組を)選択する能力が問われる投資になると思われます。



〇バイアウトファンドのリターン

こちらも中位値が13.2と普通株式に比べて低くなっています。

ベンチャーファンドよりは極端ではないものの、リターンの分布は大きく35.7%に達しています。


バイアウトに関してはこのデータとは別に

1987年から1998年に間に完了した542件のバイアウトのデータをスウェンセン氏が分析し

興味深い結論をだしています。

詳細まで紹介すると長くなるので要点をまとめますと

「前提として」

〇バイアウト取引データには、元々極めて高い生存バイアスがかかっている。

〇この542件のデータの対象は「完結した」案件に限定している。

(成功案件はすぐに資金が回収される一方で、困難な案件はポートフォリオにいつまでも居残る。)

「結論」

この間のバイアウト案件は全体で年率48%をあげ、プライベートエクイティファンドの優位性を示してているかのように見える。

(同期間のS&P500のリターンは年率17%)


しかし、バイアウトで用いられるのと、同じタイミング、同じ規模、同じレバレッジで

S&P500に投資をしたと仮定すると86%のリターンを得られていたという結論に達しています。

またリスク調整後だとリターンの差は50%以上にまで広がります。

「これはバイアウトファンドに出資する投資家が、リスクにみあった充分なリターンを手にしていないことを示唆している」

とスエンセンは結論づけています。




また以下のような記述も見逃せません。

〇報酬控除後でみると大きな代償を払う事になる(手数料など)
(なかには不適切な契約の物もみられること)

〇「彼等が創造したという付加価値、彼ら自分たちの能力でが稼いだとする利益は、上場株式のリターンに及ばないことが大半で、またその利益も法外な報酬として消えていく」

〇「事業運営の改善を生み出すことに注力する運用者を選別して初めてプライベートエクイティ投資戦略に内在するリスクに見合う、優れたリターンを達成する可能性がある」


・・・・とはいうものの

はっきりいって私はお薦めしません。

プライベートエクイティ・ファンドの選択に時間や能力を割いたり、

高いリスク
コストを払うくらいなら、

低コストでリスク分散もできるS&P500や米国市場(または全世界株式)にインデックス投資をしたり

まだ、無理せず普通の米国上場株式に投資をした方が、

長期的にはいい結果を生むと私は思います。

(どうしてもという方は資産の一部を使ってサテライトとして運用した方がいいかと思います)


無理に難しいことをしたり、あまり合理的ではないギャンブルに参加しなくても

投資には、もっと賢明な(資産を増やせる可能性の高い)方法があると思います。





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