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前回ボストンのGMOが1985年に日本株をすべて売却し、

バブルを回避して、市場をアウトパフォーマンスした話を紹介しました。

機関投資界のバフェットが見た日本のバブル「GMOの決断」と「NTT」

今日はGMO同様、日本に投資していたにも関わらず、

バブル期の混乱を乗り越え

1986年からの10年間市場をアウトパフォーマンスした

「カーシター・イートン」を紹介します。


カーシター・イートンの運用

先進国6カ国(米国、英国、スイス、ドイツ、日本、フランス)の

「キャッシュ」「債券」「株式」を投資対象とし、

大きな賭けに出て、(標準より分散されてない)集中したポートフォリオ戦略をとっていました。

カーシター・イートンの運用の真髄は

先進国の金融市場の変化に繋がるマクロ経済の大きな不均衡を発見すること。

同社独自の見通しと高いリターンは多くの米国の投資家を惹き付けました。


同社の運用成績は1986年~1995年末までの10年間 年率15.6%。

MSCIワールドインデックスを年率1.9%上回り、業界紙でも賞賛されました。

この時期の顧客からの預かり資産は80億ドルに達しています。


さて、人気絶頂のカーシターイートンが行った、次なる投資とはいかなるものだったのでしょうか?




1996年、カーシターイートンは

日本への国別配分で勝負に出ます。


同社は日本をオーバーウェイトし、米国をアンダーウエイトするポディションをとりました。

もちろん集中的なアセットアロケーション戦略で・・・


さて、結果はどうなったでしょう。

(日本の投資家の皆さんには言うまでもありませんね・・・)

米国株式は引き続き上昇相場の恩恵をうけ上昇を続ける中、

日本は慢性的な経済の低迷(いわゆる失われた10年)に苦しみ続けたため

MSCIワールドインデックスと比較して、

96年、ー20%。翌97年もー7%という悲惨な成績を残してしまいます。


ちなみに同時期のS&P500のリターンは以下の通りです。

1995 34.11%(2.1%)
1996 20.26%(ー6.1%)
1997 31.01%(-19.4%)
1998 26.67%(-6.6%)

()内は配当込トピックスのリターン。


顧客は人気だったカーシターイートンを見限り、

1996年に84億ドルあった顧客からの預かり資産は

1998年には17億ドルにまで急落します。

同社は止まらない顧客流出により、経営基盤をほとんど失い壊滅的な打撃を受ました。


一応にフォローしておくと

1995年末の時点で、カーシターイートンと同様に、米国株式は割高で、バブルのダメージにより日本株は割安になっていると考えていたプロの投資家は少なくありませんでした。

ほとんど分散していなかった賭けの結果、ここまで悲惨なパフォーマンスに陥ったともいえます。




個人的には、

せっかく日本のバブル崩壊は乗り切ったカーシターイートンだっただけに

勿体ないな~、おしかったな~という気もしなくはないですが・・・

あの運用戦略では遅かれ早かれ、いつかどこかで躓いてしまうのは避けれなかったでしょう。

この失敗はむしろ必然だったのかもしれません。

カーシターイートンの失敗からは非常に多くの事が学べますね。

〇過去の成績が良くても、長期間勝ち続けるファンドを選ぶのは難しい。

〇下落した後、安値だと思って購入しても再び回復するとは限らない(もしくは上昇するまで長時間がかかることもある)

〇集中投資の難しさ、分散投資によるリスク分散の大切さ。

〇マクロ経済予測を「得意」としているプロでも予測を間違える

〇もしかしたら、それまでの成功から驕りや油断があったのかも・・・

などなど・・・

スウェンセン氏は

「戦術的な国別配分とはマーケットタイミング以外の何物でもない」

「不十分な情報に基づいて、大規模で、分散不可能なベットを行う事に内在するリスクに、投資家をさらしている」

「マーケットタイミングを狙う運用者は、意思決定の変数を増やすことにより、失敗の可能性をも増やしてしまっている」

と厳しく指摘しています。

反省点をあげればきりがないのですが、

一番大切なのは「他人の失敗から学ぶこと」だと思います。

「自分が同じ失敗をしないように」

カーシターイートンの失敗から何か一つでも教訓を得て、

読者様の各々の投資にお役立てて頂ければと思います。




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