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前回のブログで米国の「決算を後から修正した企業」「あるいは証券取引委員会との和解に関与した(罪を認めても否認もしていない)」企業リストを紹介しました。

(詳しくは前回の記事をご覧下さい)


今日は関連して企業の「利益操作」について記事にしたいと思います。

1990年代企業が四半期ごとに収益目標を公表するのが慣行となりました。

おそらく、現在行われている米国企業の決算を分析して、ニュースや他のブロガーさんなどが、

「○○は予想を上回りました」「予想と一致しました」もしくは、(あまり嬉しくないですが)「予想を下回りました」などと、記事を書いていると思います。

こういった米国企業の決算の決まり文句も、このころから慣例となっていきます。

投資家は決算発表をいまや遅しと待ち構えて、発表された数値を「予想水準」と比較するようになりました。

そして同時に起業も「利益操作」を習慣的行うようになっていきました。


私の尊敬するエコノミストの一人ピーター・バーンスタインはこう指摘します。

「財務諸表では、まだ受け取っていない金額が収入をして計上される。」

「既に支払った金額が将来収入を生む資産に費やされたなら、経費から除外される」


つまり、一度収益目標を設定すれば、収益の認識をできる限り前倒しし、経費の認識はできる限り先送りするために、ありとあらゆる手段が取られるようになりました。

そして場合によってはごまかしや法律すれすれのライン(時にはアウト)を駆使するようになります。


ジャック・ボーグルはこの状況を見て

「手品まがいの金融工学がひねり出した四半期決算を見て、投資家はそれが予想可能で持続的な収益だと思いこんだ。」

「錬金術師の手を借りて発表した通りの目標が達成された」

と皮肉を言っています。




(少し古いデータですが)

トムソン・ファイナンシャルが2004年に実施した調査によると

1998年以降、米国企業が自社の予想を下回る確率は・・・・


(たった)16%


残り84%の企業は予想に達しています。

予想と一致  23%
1株あたり1セント上回る 22%
1株当たり1セントを超えて上回る 39%

凄まじい確実性です。


景気が良くても、悪くても・・・・

幅広い分野の企業が、様々な事業を展開しているにもかかわらず、一貫して予想収益を達成しています。


これらのデータをみて「だから米国企業はすばらしい」「米国に投資をしなきゃ」と思うでしょうか?

それとも「話が上手すぎる」と思うでしょうか?



ちなみに・・・

2000年~2004年の決算を修正した米国上場企業は1570社となります。


もちろんその後は対策が行われ改善されているとはいえ、りんりは性格が悪いので未だ地味に疑ってかかっています。

タレブ曰く「暴落が起きた後に行われる対策は、前回の暴落と同じ状況を防ぐのには有効だが、次の暴落を防ぐことはできない。」

この名言が、企業会計や利益操作にも当てはまらないとも限りません。


今日はミッドアメリカンエナジー社のウォルタースコットジュニアの言葉で閉めましょう。

「誠実さとは、良いときも悪いときも、とことん正直になり、完全にオープンであることだと考えている」


四半期ごとの予想を達成することのみに集中する会社よりも、こういう経営者や企業文化・コンプライアンスを持つ会社に投資をしたいものですね。





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