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現在の投資家は、1929年の世界恐慌当時よりも、はるかに高度な方法で確率を計算し、リスクを管理しています。

特にリーマンショック以降、各金融機関は様々なシナリオやリスクを想定し、「ストレステスト」などによって健全性や安定性を高め、以前よりもより一層、不測の事態に備えています。


「ストレステスト」

銀行や国家の経営が安全かどうかを調べる健全性の調査のこと。

想定される最悪の状況で、金融機関等が必要とする資本の額を算出し、資金調達力を透明化することで、金融システムの信頼度を高めることが目的とされています。


金融危機はどんなに警戒しても完全には防げないのですが、ストレステストは「予防」と「緊急対応」の両方に有効とされています。

(ストレステスト関しては「ガイトナー回顧録」にその導入の過程などが詳しく描かれています。)


私達個人投資家でも、ストレステストの考え方は重要です。

〇自分の財務の状態は健全か?

〇リスクのある投資先に、自分の許容範囲を超えて投資していないか?

〇様々な最悪のケースを想定して運用しているか?

〇米国市場が持ち前の弾力性を発揮して、株価が回復するまでの間、耐え忍ぶことができるのか?

〇株を底値で投げ売りしなくてもいいような、余裕はあるか?

〇株式以外に充分なキャッシュフローはあるのか?

などがあげられます。




人間の骨が、軽い負荷を掛けると逆に強くなり、宇宙空間など負荷が少ないところでは脆くなる、というのは割と有名な話かと思います。

株式市場も同様で、軽いストレス・短期的なストレス・ボラティリティは、逆に運用成績を高めるチャンスにもなります。

しかし、強すぎるストレスが骨ごと折ってしまうように、大きすぎるストレスは資産運用にも深刻なダメージを残します。


私達投資家が本当に備えるべきは、調整局面とよばれる10%程度の下落ではなく、(資産のほとんどを吹き飛ばすような)大暴落にこそ備えるべきではないのでしょうか?



「ストレステスト」が万能かというとそうでもありません。


ストレステストは「史上最悪」の、不況・戦争・金利・失業率などを使って、将来の最悪の結果をシュミレーションしています。

歴史上の最悪の出来事以上に、つまりストレステストの想定以上に、今後もっと最悪のことが起きる可能性は決してゼロではないからです。

それでも何もやらないよりは遥かにマシですし、ノーガードで暴落が直撃するよりは生き残る確率は高くなります。

が、「ストレステストをしたから絶対安全」とは言いきれないという事も付け加えておきます。


「おいおい、りんりビビり過ぎだろ」

そう思う方のためにりんりらしく歴史を振り返ってみましょう。


古代エジプトではナイル川の氾濫による大災害を何度も繰り返してきました。

氾濫のたびに歴代のファラオたちは、書記に最高水位線を記録させ、官僚に未来のワーストシナリオを想定させ、圧倒的な規模の公共事業により、次の災害をなくそうとしました。

当時エジプトには世界トップクラスの官僚機構と、ピラミッドをも作るような土木作業の技術と、巨大な労働力があったにもかかわらず・・・

結果は上手くいきませんでした。

理由は簡単です。

過去の観測や想定を超える、更なる「史上最悪」の大氾濫が起きて、また全てを流しつくしてしまうからです。


哲学者のルクレティウスは言います。


「愚か者は、自分が見た一番高い山を、世界最高峰だと信じる」


この事例は何も大昔の出来事にだけ当てはまるというようなものではありません。

現在の私達も、自分の人生で見たり・経験したものを、最大の物だと思いこむ心理的な欠陥を持っています。(自分の知っているものが全てバイアス)


効率性や理論の限界

〇多すぎる現金をもつ事は、確かにリターンを下げることにつながります。

〇過剰な余裕は、効率性を落とします。

〇一般的な金融理論や経営学では、余剰すぎる備え(在庫や人員など)は悪とされます。


しかし一見非効率なことが命を救う事もあるのです。

例えば、10g以上接種したら死に至る可能性があるとある薬を、治療のため飲まなければならないとき、毎回9.9gのギリギリまで飲む人はいないでしょう。

病気を治すという目標を達成する上では、摂取量ギリギリまで取るのが最も効率はいいのかもしれません。

しかし普通は充分な安全域を持たせ2~5gもとればいい方ではないでしょうか?

(今のは極端な例ですし、医療分野は詳しくないので、あくまでも例え話です。ご容赦を)

医療分野だけでなく、国家の予備の備蓄の食料や生活必需品が、最も効率的な量(通常時はベストの量)しかない時、想定外の大災害が起きたら・・・


長くなりましたが、今回の結論です。

〇小さな下落(リスク)は過度に恐れる必要なない。資産を根こそぎ奪うが大暴落にこそ備えるべき。

〇効率性や合理性だけで全てが解決するとは限らない。

〇過剰な保険・余剰と思われても、恐れずに余裕を持つ勇気も必要

そして大暴落時に充分な余裕があれば、攻めに転じ、逆に最も効率のよい投資ができるという皮肉な状況になるかもしれません(笑)


ベンジャミングレアムの主張した「安全域」の考え方の応用
そして、タレブの主張する「反脆弱」を利用した暴落への備え

ここら辺にりんりは大暴落時への対応を見いだそうとしています。

まだ具体策までは決めてませんが、

何はともあれ、人と違う事をするには勇気がいります。

上昇局面では暴落への備えを、暴落時には積極的に

そういう投資家に私はなりたい。と思う今日この頃です。


さて今日はトランプ大統領と習近平国家主席との対談が予定されています。

どんな未来が待っているか、今の時点ではわかりません。

ですが想像以上のことが起きても、冷静さを失わぬよう心がけ、投資を続けていきたいと思います。


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