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トランプ大統領の米国保護主義の政策が議論を呼んでいます。

特に中国との貿易問題は今後どうなるのか?

米国株式市場のみならず、長引けば米中以外の第三国にも影響が及ぶ可能性があるため世界中が注目しています。

そんななか今日は一つの警鐘をご紹介したいと思います。


もしアメリカ人が、団結とか何か別種の暴力によって、ヨーロッパ製品の輸入を阻止し、同種の品物を製造できる独占権を自国民に与え、資本のかなりの部分をこの事業に振り向けたとしよう。

すると、何が起きるか?

アメリカ人は、毎年の生産物の価値を増大させるどころか減少させることになり、真の富と繁栄を進めるどころか、自国の発展を阻害することにあるであろう。

このことはアメリカ人が同様のやり方で自国の輸出貿易全体を独占しようと企てた場合も同じである。

事態はいっそう悪くなるであろう。


「諸国民の富、その本質と源泉への探求」より一部抜粋

書かれたのは1776年。著したのはアダム・スミス

イギリスの経済学者であり、「国富論」でも有名なアダム・スミスは名著「諸国民の富」にて、当時植民地から新しく解放されたばかりのアメリカをこう記してしました。





また、当時もっとも優れた経済学者であったアダム・スミスは、アメリカに助言を送ります。

〇植民地アメリカは自分たちの得意分野に集中すべきだ。

(当時のアメリカにとって得意分野は農作物などの一次製品、後に綿花)

〇得意分野を輸出して、代わりに自分たちが生産したものをよりもいい製品をイギリスから輸入すべきだ。

〇得意分野であっても独占してはならない

現在の世界銀行やIMF(国際通貨基金)、そしてアメリカが貧しい発展国に与えている忠告と似ています。

242年前に書かれた本とは思えないくらい、今の世界経済にも通用する部分が見てとれます。

(もちろん当時と今とでは違ってる部分もみてとれますが・・・)

愚者は経験から、賢者は歴史から学ぶといいますが、時の試練に耐えてきた歴史的名著というのはすごいものですね。




そして後日談。今回のオチ。 

当時のアメリカは独立戦争後、アダム・スミスの勧めた「健全な経済学」を全く無視します。

イギリスからの輸入品には高い関税をかけ(最初は繊維製品、後に鉄鋼品など)

国内産業をを保護し発展させました。(戦後日本も保護貿易策にて国内産業を発展させました笑)

また逆に輸出に関しては綿花を独占することに躍起になり、事実ジャクソン主義の大統領達はこう述べています。

「綿花を自分たちで独占・管理できればイギリスを屈服させられる」

またジョンタイラーは以下のように手紙に残しています。

「テキサス併合は綿花を独占し、ヨーロッパを苦しめるためだった」



近年では「新自由主義」として「市場に任せろ」「自由競争の原理に従え」という論調が盛んですが、
歴史的に実際にアメリカがやってきたことは少し違うようです。

インドやエジプト、アイルランドのような国には「自由主義」を押しつけ屈服させました。当然それらの国の経済は後に悪化しました。

その一方でかつてはイギリスそして日本、今は中国に対して自由貿易で経済原理に任せるのではなく、アメリカ経済を守るために「保護主義」な政策をとっています。

見事なダブルスタンダード。

片手では自由主義を掲げ握手を求めつつ、もう片方の手で保護主義を掲げ殴ってくる

「きたないさすがアメリカきたない」

「さすがアメリカ。俺たちにできないことを平然とやってのける。そこにシビれるあこがれるゥ」

とまあ冗談半分でかなり簡略化して説明しましたが、半分はガチなところがアメリカの怖いところです。笑


世界経済や国際協調の視点からみたら賛否両論あるでしょうが・・・

アメリカに投資している身としては・・・(ニヤリ)といったとこでしょうか。笑


米中貿易問題が心配されていますが、アメリカはかつて何度もそのような危機を乗り越えてきました。

VSイギリス。VSドイツ。VSソ連。VS日本。そして今のVS中国

今度も上手く勝てる保証はありませんし、当時と状況ももちろん違います。

ですが保護主義・保護貿易に関しては歴史的によくあったことなので、(気にはなりますが)私はあまり心配し過ぎる必要もないと思っています。


まずは11月30日~12月1日に予定されているトランプ大統領と習近平国家主席との会談でアメリカのお手並み拝見といきましょう。


とはいえ、私は株価が大きく上がっても下がってもいいように心の準備だけはしておくつもりです。




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