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昨今トランプ大統領やイギリスのEU離脱など、自由貿易主義にかわり、保護貿易主義が広がりつつあります。

投資家と貿易は昔から切っても切れない関係にあります。

貿易問題について考える時、まずはその歴史を知らなければなりません。



貿易問題についての記事・第一回目は世界最古の株式についてです。


時代はさかのぼり1600年前後、大航海時代を経てスペイン・オランダ・イギリスがアジア・アフリカなどと海路による交易を始め、世界の経済は繋がっていきます。


貿易において先に一歩抜き出たのはイギリスでした。東インド会社が有名ですね。
その思想や戦略、歴史だけで何本も記事が書けちゃうくらいの会社ですがそれは第二回以降にします。


今回の主役はオランダの一般市民ピーターさんです。(彼は実在の人物です)

イギリスの東インド会社設立に遅れること2年、1602年当時新興国のオランダで「オランダ東インド会社」が設立されました。

ユトレヒト大学に世界最古と言われる「オランダ東インド会社」の株券の取引証明書があります。

そこに1606年・運送会社のピーターが150グルデンで「東インド会社(オランダ)」の株を買ったことが示されています。当時オランダの中流階級の月給は30~40グルデンだったので、約半年分の給料になります。

それまでの人類史の中で、投資と言えば富裕層とその関係者くらいでした。しかし株式の登場により一般の人々からも広く出資を募る事でより多くのお金を集めることができるようになりました。

当時の株式は「株主から出資金を募り、利益の一部を配当として支払う」というものです。既に今の株式会社と非常に近いシステムが出来あがっていました。

さらに現在同様、株は自由に売買できました。それに伴い世界初のマーケットも生まれました


それ以前の大航海時代の投資は一回の航海ごとに多額の出資金が必要で、しかも海難事故等で出資金全て失うリスクがありました。

しかし、株券の登場で少額づつに小分けにして別の航海に出資できるようになり、リスク分散という考え方が広まりました。

こうして国家(政府)から一般市民まで様々な思惑と欲望を乗せた船が世界中に旅立っていきました。


オランダ東インド会社の場合、主な輸入品はコショウ、ナツメグ、砂糖などの調味料。コーヒー・紅茶、ダイヤモンドの原石や真珠などでした。


上記のピーターに初めて配当金が支払われたのは1612年。出資から6年後のことです。

初めての配当で86.5グルデンを彼は受け取りました。当時の月収2~3か月分です(出資金の半分以上ですね)。


その後1650年までおよそ40年に渡り配当は続きました。その間合計2万グルデンの配当を受け取り、当初の100倍以上の資産を中流市民のピーターは手に入れました。


配当は多い時で出資金の5割を超え、出来あがったばかりの世界初の株式市場は過熱していきます。

また求人が急速に増えていきます。数十万の船員、水平などアジア行きの船に必要な雇用が生まれ、オランダ人のみならず、ドイツ、北欧からも雇い入れました。

船もたくさん作られ、それに伴い地域経済も活性化しました。輸入品も町中にあふれ消費がさらに活発になっていきます。


以上全て400年前のオランダの話ですが、貿易・株式・雇用・消費・・・我々も最近どこかで聞いたことがあるキーワードではないでしょうか?


「賢者は歴史から学ぶ」「歴史は繰り返す」ともいいますが、私たちが学ぶべき歴史は無限にあるように思えます。


その後新興国だったオランダは黄金時代を迎え、17世紀にはイギリスを抜きアムステルダムは当時の世界の金融センターになりました

かの有名なチューリップバブルのピークが1637年といわれていますから、ちょうどこの時代のお話となります。

でも歴史は知れば知るほどおもしろいもので、チューリップバブルがかわいく見えるくらいの悲劇がこの後黄金時代のオランダを襲います。

きっかけは完全に後れをとったイギリス&イギリス東インド会社の逆襲です。当時の貿易戦争がどうなったか?

この記事の反響がよかったらまた続きを書きます。


さて、あなたはこの話からどんな教訓を得ましたか?

私はピータ―うらやま(^_-)-☆・・・・というのもありますが笑。6年間利益がなくても売らずに我慢して、さらにその後40年同じ株を持ち続け資産を築いた胆力は見習いたいなという所です。

また、マクロな視点で見れば人の世は進歩しているようでいつの世も変わらないといいますか・・・


平家物語の一文で今日は閉めましょう。

祇園精舎の鐘(金)の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれるものも久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もついに滅びぬ。ひとえに風の前の塵に同じ。


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